文献情報
文献番号
200835006A
報告書区分
総括
研究課題名
市民参加型地域緩和ケアシステム「家で死ねるまちづくり」の開発と評価
課題番号
H18-医療・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小松 浩子(聖路加看護大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
- 井部 俊子(聖路加看護大学 看護学部)
- 山田 雅子(聖路加看護大学 看護実践開発研究センター)
- 川越 博美(訪問看護パリアン)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国の地域緩和ケアを発展させ、家での死を選んだ市民が当たり前に家で最期の時を過ごすことができる地域を創るため、市民が参与し専門職や行政との協働によるヘルスプロモーションに基づいた地域包括的緩和ケアシステムモデル(「家で死ねるまちづくり」)を開発することである。
研究方法
平成20年度は、これまでの研究成果、1)在宅緩和ケアチーム基準作成、2)ボランティアグループ活動組織化、3)フォーカスグループインタビュー、4)国際比較研究および文献レビューの結果に基づく、市民参加型地域包括的緩和ケアシステムの構成要素の抽出、5)構成要素に基づく市民参加型地域包括的緩和ケアシステムの概念枠組みの考案、に基づき、ソフトシステム方法論(Soft System Methodology)ベースのアクションリサーチの手法を適用し、市民参加型の地域包括的緩和ケアシステムモデルの開発と評価に取り組んだ。
結果と考察
下記にアクションリサーチによるプロセスアウトカムを示す。
1)市民と行政・医療・福祉の各専門職が、在宅ホスピス緩和ケアへの個々の経験を基に「思い」を語り合い、その思いを表現した「思いのモデル」を作成し、思いと現実との比較からアクションプランを作成した。
2)この過程における研究者、参加者の学びから、地域包括的緩和ケアシステムの構築は、「まちづくり」それ自体であり、「相談・調整・教育」のセンター機能と入所・通所によるサービス提供機能を兼ね備えた、看取りのサービス提供拠点が必要であることが示された。
3)市民参加型のアクションリサーチを用いた本研究の意義は、一つには、最期は家で死にたいという人を支えたいという思いを持っている住民を結びつけ、積極的でなかった団体や組織の関心を高め、在宅緩和ケアシステムづくりの活動を組織化できたこと、そして、メンバー間で在宅緩和ケアシステムを構築するとは何をすることなのかを理解できたことである。二つ目にはSSMベースのアクションリサーチのプロセスは、「思い」の共有によってバックグラウンドの異なる多様な専門職と一般市民の異なる考え方を調整でき、多様な専門職と一般市民をメンバーとするチームケアの実現に有効であることが確認できたことである。
1)市民と行政・医療・福祉の各専門職が、在宅ホスピス緩和ケアへの個々の経験を基に「思い」を語り合い、その思いを表現した「思いのモデル」を作成し、思いと現実との比較からアクションプランを作成した。
2)この過程における研究者、参加者の学びから、地域包括的緩和ケアシステムの構築は、「まちづくり」それ自体であり、「相談・調整・教育」のセンター機能と入所・通所によるサービス提供機能を兼ね備えた、看取りのサービス提供拠点が必要であることが示された。
3)市民参加型のアクションリサーチを用いた本研究の意義は、一つには、最期は家で死にたいという人を支えたいという思いを持っている住民を結びつけ、積極的でなかった団体や組織の関心を高め、在宅緩和ケアシステムづくりの活動を組織化できたこと、そして、メンバー間で在宅緩和ケアシステムを構築するとは何をすることなのかを理解できたことである。二つ目にはSSMベースのアクションリサーチのプロセスは、「思い」の共有によってバックグラウンドの異なる多様な専門職と一般市民の異なる考え方を調整でき、多様な専門職と一般市民をメンバーとするチームケアの実現に有効であることが確認できたことである。
結論
平成20年度は、ソフトシステム方法論ベースのアクションリサーチの手法により、市民参加型の地域包括的緩和ケアシステムモデル(「家で死ねるまちづくり」)の構築と実証を行った。
公開日・更新日
公開日
2009-06-25
更新日
-