文献情報
文献番号
200835005A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質向上に資するアウトカム評価モデルの開発に関する研究
課題番号
H18-医療・一般-007
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
佐々 英達(社団法人 全日本病院協会 事務局)
研究分担者(所属機関)
- 飯田 修平(社団法人 全日本病院協会)
- 長谷川友紀(東邦大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、1.各国の臨床指標を用いたアウトカム評価事業の概要を明らかにする。2.日本の診療アウトカム評価事業、米国メリーランド病院協会IQIP(International Quality Indicator Project)に、日本の5病院が参加して、評価モデル、臨床指標、データ構造などを比較検討する、3.医療法改正に伴ない臨床指標を用いた新たな医療計画の導入が検討されており、臨床指標を個々の医療機関を超えて地域の健康評価などへの応用可能性について各国の事例をもとに検討する。
研究方法
「1.」、「3.」文献調査、米国、イタリアにおける現地調査を実施した。「2.」病院より得たデータを解析する。
結果と考察
1.臨床指標を用いたベンチマークは、多くの国で実施されている。IQIPには、世界12カ国の約1200病院が参加している。米国保健省が運営するベンチマーク事業のHospital Compareは、米国のほぼすべての病院が情報を提供し、臨床指標が拡大され、その結果はウェブで公開されている。同事業は、2009年度に導入予定の医療の質に基づく支払い(Value Based Purchase)に貢献した。臨床指標の多くはプロセス指標であり、患者満足度なども支払に加味されることが特徴である。
2.診療アウトカム評価事業に参加する約30病院の中5病院がIQIPに参加した。イタリアで開催された参加国会議で臨床指標の改訂作業に従事した。データの信頼性を確保するため担当者の継続研修を実施した。急性期病院ではDPCが標準的な支払方法となっており、DPCデータから診療アウトカム評価事業用データへの変換が可能なシステムを構築し、DPCデータを用いたベンチマークシステムを新たに開発した。
3.医療法第五次改正(2008年)で導入された医療機能情報提供制度では個々の医療機関より得た情報を都道府県が集約して公表するが、アウトカムの情報は含まれていない。今後の情報提供のあり方を、特に地域の健康水準測定の視点から検討した。
2.診療アウトカム評価事業に参加する約30病院の中5病院がIQIPに参加した。イタリアで開催された参加国会議で臨床指標の改訂作業に従事した。データの信頼性を確保するため担当者の継続研修を実施した。急性期病院ではDPCが標準的な支払方法となっており、DPCデータから診療アウトカム評価事業用データへの変換が可能なシステムを構築し、DPCデータを用いたベンチマークシステムを新たに開発した。
3.医療法第五次改正(2008年)で導入された医療機能情報提供制度では個々の医療機関より得た情報を都道府県が集約して公表するが、アウトカムの情報は含まれていない。今後の情報提供のあり方を、特に地域の健康水準測定の視点から検討した。
結論
医療の質への関心の増大とともに、アウトカムを明らかにする臨床指標の開発、情報収集・リスク調整・公開・活用に至る一貫したモデルの開発は、重要な課題である。諸外国の事例を参考にしつつ、新しい地域医療計画、DPC、レセプトオンライン請求データを活用できる、アウトカム評価モデルの開発を進める必要がある。
公開日・更新日
公開日
2009-06-25
更新日
-