「学習処方箋」を用いた病院図書室機能の活性化と協働の医療推進に関する研究

文献情報

文献番号
200835004A
報告書区分
総括
研究課題名
「学習処方箋」を用いた病院図書室機能の活性化と協働の医療推進に関する研究
課題番号
H18-医療・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
郡司 篤晃(特定非営利活動法人医療の質に関する研究会)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎喜比古(東京大学大学院健康社会学分野)
  • 福井次矢(聖路加国際病院)
  • 本田佳子(女子栄養大学臨床栄養)
  • 里村洋一(千葉大学医学部名誉教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者図書室を運営しつつ、図書室の利用状況、学習処方箋を用いた糖尿病の患者教育システムの研究開発・評価を実施する。糖尿病患者の交流会の効果を評価する。また、携帯電話による撮影と伝送による食事のコーチングシステムを開発・評価を行なう。
研究方法
河北総合病院に患者図書室を建設し、運営しつつ、分担研究者がそれぞれの課題に取り組んだ。
結果と考察
 医師から患者・家族への説明がどの程度理解されているかに関する実証研究のリビューを行った。その結果、医師の説明内容を、患者は予想以上に理解していないことが明らかにされた。しかし、医師も患者も現状の医療制度下では患者が納得するまで説明することは困難であり、その役割を果たすのが病院内の患者図書室機能であることを確信させた。
 図書室の利用状況について行った調査によると、65歳以下の患者の利用が圧倒的に多かった。
慢性疾患においては、患者は医療の消費者であるばかりでなく、医療資源であり、患者のヘスルリテラシーのレベルが医療の質の大きな決定要因であることから、糖尿病患者を選び、患者図書室において、学習処方箋を用いた教育システム(糖尿病Expert Patient Project)の研究・開発に取り組んできた。本年度は、学習処方箋による患者教育システムの教育の効果を評価するために、同一クイズを用いて教育の前と後で比較検討を行った。また、クイズ183問を、正解率、識別力で評価した。
 栄養指導は糖尿病の管理には中心的に重要であるので、日常生活の中でも十分な精度で栄養コーチングができるシステムを構築するため、携帯電話やデジタルカメラの映像による栄養指導システム作成のための基礎的な研究を行った。撮影の画質、下に敷くランチョンマット、栄養士の経験年数が有意に関係すること、料理の諸特性が、精度と偏りに影響することがわかった。
 しかし、患者図書室は病院にとっては不採算部門であり、建設のコスト及び人を配置することが困難である。医療事務の補助者の延長として、何らかの政策的な支援が望まれる。
結論
 病院内の患者図書室は患者に利用され、特に若い世代の患者に好んで利用され、協働の医療を促進する。学習処方箋によって図書室の利用は活性化され、患者のHLレベルは向上する。
 しかし、患者図書室は病院にとっては不採算部門であり、建設のコスト及び人を配置することが困難である。医療事務の補助者の延長として、何らかの政策的な支援が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2010-04-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200835004B
報告書区分
総合
研究課題名
「学習処方箋」を用いた病院図書室機能の活性化と協働の医療推進に関する研究
課題番号
H18-医療・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
郡司 篤晃(特定非営利活動法人医療の質に関する研究会)
研究分担者(所属機関)
  • 山崎喜比古(東京大学大学院健康社会学分野助教授)
  • 福井次矢(聖路加国際病院院長)
  • 小西敏郎(NTT東日本関東病院副院長)
  • 里村洋一(千葉大学名誉教授)
  • 本田佳子(女子栄養大学臨床栄養学教授)
  • 洲之内廣紀(河北総合病院院長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の医療システムには、患者が自ら情報を得て学習する仕組みが欠如している。医療と社会の摩擦の増大、慢性疾患の増加に対処するためには、「協働の医療」の思想に基づき、啓蒙運動が必要である。また、医療資源に対する制約が厳しさを増す中では、患者自身を医療資源の単なる消費者と見るのではなく、重要な医療資源と見るという、発想の転換が必要である。
本研究開発プロジェクトは、「協働の医療」を推進するための拠点として患者図書室を建設し、実際に運営し、その活用の可能性を追求し、その影響を評価することを目的とする。
研究方法
本研究は、仮説検証型の研究ではなく、モデルとなるシステムを開発していくプロセス研究である。即ち、患者図書室を実際に設置運営しつつ、研究・開発と評価を繰り返し、より良いシステムを構築することである。また、その限界と問題をも明確にすることが重要である。
結果と考察
本研究は、2006年4月以来、多くの病院に患者図書室を建設し、その活用結果多面的に評価しつつ、その改善に努めてきた。
その利用の一例として、糖尿病を対象とし、医師が「学習処方箋」を発行し、その指示の優先順位に従って、クイズを解き、DVDを見、さらにパンフレットによって学習するシステムを開発した。
本教育システムは、入院患者においては約12%の知識を増加させる効果はあったが、外来患者は学習終了までの期間が長くなることもあり、大きな効果は示されなかった。
 このような結果を考察するために、糖尿病患者を対象にインタビュー調査を実施した。また、携帯電話あるいはディジタルカメラによる食事の映像からエネルギー量を推定し、栄養摂取のコーチングシステムを構築するため、その精度に影響する要因を定量的に評価し、基礎資料を得た。本年度は、インターネットの患者用医療情報サイトに関する評価・研究を行うために、まず評価軸(表現、情報量、信頼度、対象層など)を設定し、それぞれの軸を5段階で評価し、総合評価点や評価コメントをつけた。今後、利用状況をもとに評価する仕組みを作成する。
結論
病院内の患者図書室は患者家族の評価が高かった。段階の世代以降の利用者が多かった。
その活用を促進するためのには、医師が学習処方箋などによって促進的な役割を果たすことが有意義である。今後は情報技術の活用により、患者図書室の機能を、地域へ、さらに人々の生活の場へと広げていくことができる可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2010-04-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835004C