特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200834056A
報告書区分
総括
研究課題名
特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究
課題番号
H20-難治・一般-041
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
今井 尚志(独立行政法人国立病院機構 宮城病院 神経内科)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 格(独立行政法人国立病院機構 宮城病院 神経内科 )
  • 岡本 幸市(群馬大学大学院 医学系研究科 脳神経内科学)
  • 阿部 康二(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 荻野 美恵子(北里大学医学部)
  • 梶 龍兒(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 感覚情報医学講座)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院 医学研究院)
  • 高石 浩一(京都文教大学 人間学部)
  • 中野 今治(自治医科大学 神経内科)
  • 西澤 正豊(新潟大学脳研究所 臨床神経科学部門)
  • 林 秀明(都立神経病院 神経内科)
  • 福永 秀敏(独立行政法人国立病院機構 南九州病院 神経内科)
  • 湯浅 龍彦(鎌ヶ谷総合病院 千葉神経難病医療センター・脳難病(神経)内科)
  • 青木 正志(東北大学病院 神経内科)
  • 後藤 公文(独立行政法人国立病院機構 長崎神経医療センター 神経内科)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構 新潟病院 神経内科)
  • 南 尚哉(独立行政法人国立病院機構 札幌南病院 神経内科)
  • 溝口 功一(独立行政法人国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 神経内科)
  • 板井 孝壱郎(宮崎大学医学部)
  • 伊藤 道哉(東北大学大学院 医学系研究科・医学部)
  • 高畑 隆(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
  • 難波 玲子(神経内科クリニックなんば)
  • 清水 幸裕(南砺市民病院 内科)
  • 田村 裕昭(勤医協中央病院 内科)
  • 山崎 京子(秋田県能代市山本群医師会立 能代山本訪問看護ステーション)
  • 安藤 智子(山脇学園短期大学 家政科)
  • 伊藤 智樹(富山大学 人文学部)
  • 植竹 日奈(NHOまつもと医療センター 中信松本病院)
  • 上條 真子(北里大学東病院)
  • 後藤 清恵(独立行政法人国立病院機構 新潟病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定疾患患者が、難病を持ちながらも精神的に自立・自律した個人として地域社会で生活するためには、各県に設置された難病相談支援センターの適切な関与が重要である。全国の難病相談支援センターの較差の解消をめざし、相談員の資質向上と相談ツールの開発を目的として研究を行なった。
研究方法
分担研究者を①難病相談支援センターへの支援方法の検討 ②療養環境整備 ③就業支援方法の検討 の③グループに大別して研究を推進した。特に①では難病相談支援センターの相談員へのアンケートを行い、その結果を元に、作業チームとして心理療法の専門家やソーシャルワーカーを中心としたワーキンググループを組織し、サポート方法を検討した。
結果と考察
①では、アンケートの結果、相談員が電話や面談での相談にどのように答えたらよいかわからずに、戸惑いを感じていることが示され、スーパーバイザーのアドバイスを多くの相談員が要望していることが明らかとなった。これに対し、ワーキンググループで相談員を対象とした研修プログラムと相談内容Q&A集(第一報)を作成した。また、全国の難病相談支援センターの相談内容と対応に関するデータベース作成のための記録の標準化が必要と考え、そのためのフォーマット(電子相談票)を作成した。
②では、医療処置を有する難病患者の家族介護負担軽減のために、患者が福祉施設でのデイケア・デイサービスを利用可能にしていく必要があるが、現状では困難である。現在、一部の地域で気管切開や人工呼吸器を装着した患者にも対応できるようにヘルパー養成を行なっているが、研究班として、そのような養成講座を応援し育成していくために、ヘルパーへの吸引指導のためのツールとして、ビデオ教材を作成した。
③では、ハローワーク等の労働関係機関と保健医療とのパートナーシップが必要であることが、アンケートから明らかとなった。各地の難病相談支援センターが患者の就労支援を行なうときの参考として利用できるように、簡便な就労支援マニュアル「難病・慢性疾患のある人の就労について」を作成した。
これらのツールを活用することで、相談員の資質向上がえられ、全国の難病相談支援センターの較差が是正されるものと考えられる。
結論
難病患者が地域社会で自立・自律していく援助として、難病相談支援センター相談員への研修プログラムと相談ツールの開発を中心に研究を推進し、一定の成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
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