重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200834055A
報告書区分
総括
研究課題名
重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究
課題番号
H20-難治・一般-040
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
糸山 泰人(東北大学大学院医学系研究科 神経内科)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 格(独立行政法人国立病院機構宮城病院)
  • 森若 文雄(北海道医療大学 )
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院医学研究科 )
  • 菊地 誠志(独立行政法人国立病院機構札幌南病院)
  • 豊島 至(秋田大学医学部医学教育センター)
  • 加藤 丈夫(山形大学医学部 )
  • 小野寺 宏(独立行政法人国立病院機構西多賀病院)
  • 中野 今治(自治医科大学)
  • 小川 雅文(国立精神・神経センター病院)
  • 林 秀明(東京都立神経病院)
  • 黒岩 義之(横浜市立大学)
  • 長谷川 一子(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 西澤 正豊(新潟大学脳研究所)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)
  • 池田 修一(信州大学医学部)
  • 溝口 功一(独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 犬塚 貴(岐阜大学医学研究科)
  • 成田 有吾(三重大学医学部付属病院)
  • 駒井 清暢(独立行政法人国立病院機構医王病院)
  • 中川 正法(京都府立医科大学医学研究科)
  • 近藤 智善(和歌山県立医科大学医学部)
  • 上野 聡(奈良県立医科大学医学部)
  • 神野 進(独立行政法人国立病院機構刀根山病院)
  • 戸田 達史(大阪大学医学系研究科)
  • 高橋 桂一(高橋神経内科・内科クリニック)
  • 阿部 康二(岡山大学医歯薬学総合研究科)
  • 松本 昌泰(広島大学医歯薬学総合研究科)
  • 中島 健二(鳥取大学医学部)
  • 高橋 美枝(南国病院)
  • 吉良 潤一(九州大学医学研究科)
  • 森 照明(独立行政法人国立病院機構西別府病院)
  • 山本 真(大分県勤労医療生協大分共和病院)
  • 後藤 公文(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター)
  • 福永 秀敏(独立行政法人国立病院機構南九州病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重度の難病患者が直面している療養上の問題を明らかにして、患者に対して専門医療や入院医療の提供をはじめとした医療環境を全国的に整備することと在宅療養を充実させることが本研究班の目的である。
研究方法
本研究班では分担研究者の地域における重症難病患者に関する医療環境、特に拠点病院や協力病院などの医療ネットワークの整備状況や活動状況ならびに在宅医療の実態を調査した。また、それらの調査から明らかになった問題点に対する各地域での改善の取り組みを調査した。
結果と考察
全国都道府県における難病医療ネットワークシステムの整備状況や形態は地域により様々であったが、ネットワーク形成の先進地域においても医療提供、特に入院の場の確保は困難な状況がみられた。各地域の実情に合わせて可能な医療ネットワークを実動化していくことが重要と考えられた。これらの現状から在宅医療を中心にした視点での新たな医療と療養のネットワーク作りが必要と考えられた。そのためには、家庭医を含めた在宅療養支援に協力的な無床の診療所の医師の参加を求め、拠点病院や協力病院との間で二人主治医制をとりつつ患者を中心とした療養ネットワークの構築が重要と考えられた。これらの取り組みは既にいくつかの地域で始められており、加えてレスパイト入院の補助金交付制度や意志伝達装置の貸し出し事業も始まりその発展が期待されている。
各種の問題のなかでも重要度、緊急性、実現性が高い以下の5項目を選んでプロジェクトチームを形成している。これらは①難病患者の入院確保など医療提供プロジェクト②災害時の難病患者に対する支援体制の整備プロジェクト③難病患者の医療相談に関するプロジェクト④自動痰吸引器の普及ならびに自宅医療改善プロジェクト⑤神経難病に対する遺伝医療カウンセリング体制の整備プロジェクトである。
結論
重度の難病患者の医療環境の整備には各地域での特性に合わせた医療と療養のネットワークが形成され、一部では実動している。特に、在宅医療を中心に据えた視点での医療と療養のネットワーク作りが将来的には重要である。本研究班では重要度、緊急性、実現性の高い研究テーマをプロジェクト化して問題解決を計っている。

公開日・更新日

公開日
2009-04-03
更新日
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