難治性疾患克服研究の評価ならびに研究の方向性に関する研究

文献情報

文献番号
200834054A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患克服研究の評価ならびに研究の方向性に関する研究
課題番号
H20-難治・一般-039
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 勉(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 稲垣 暢也(京都大学 医学研究科)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学 内科学講座)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
  • 小池 隆夫(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 作田 学(日本赤十字社医療センター 神経内科)
  • 中村 耕三(東京大学医学部附属病院)
  • 小室 一成(千葉大学大学院 医学研究院)
  • 山田 祐一郎(秋田大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患克服研究事業が対象とする疾病の構造、患者数などは毎年変化しつつある。こうした変化を的確に把握して研究事業が有効に行われるためには、対象疾患および各研究班の研究について、様々な客観的評価をおこなう必要がある。本研究班では難治性疾患克服研究事業における39の疾患別臨床研究について包括的な評価をおこない、今後の研究の方向性について提言することを目的とした。
研究方法
研究班から提出された2007年度の報告書、及び各研究班が発表した論文、さらにアンケート調査を資料として各研究班の評価をおこなった。
結果と考察
1)難治性腸疾患のように、最近患者数が急増している疾患がある。こうした疾患について今後どのような形態で継続していくのかを検討する必要がある。
2)疾患の特性もあり長期にわたって研究の進展が見られていない領域がある。
3)研究班間の研究の重なりについては、「原発性硬化性胆管炎」が「難治性肝胆道疾患」の班に移行するなどの措置がとられたため、以前より整合性のとれたものとなってきた。
4)複数の研究班が、協力して検討していこうとする試みがなされているが、こうした動きは是非推進していくことが重要である。
5)多くの研究班で、論文に本研究事業のAcknowledgementが記載されていない。
6)発症率、有病率の解析について、実際に各班でアンケート調査をおこなっても、正確な患者数や有病率の把握は困難な場合が多い。今後は各班が「疫学調査研究班」と連携して検討を行う必要がある。
7)難治性疾患について、国をあげてこのように大規模かつ系統的総括的な研究をおこなっている例は極めて珍しい。したがって本研究成果について今後国内外に広く公表していくことが重要である。
結論
「難治性疾患克服研究事業」の各研究班の活動について、学術的、行政的な観点から評価をおこなった。(1)各研究班間の研究の重なり、各研究班が担当する疾患の妥当性について引き続き検討が必要である。(2)各研究班間で共同研究は今後是非推進する必要がある。(3)本研究事業の対象疾患について今後も検討が必要である。(4)疾患の発症率、有病率については、必ずしも正確に把握されていない。今後「疫学調査研究班」との関連も考慮に入れて全体的に検討する必要がある。(6)本研究事業の成果を国内外に今後広く公表していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
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