難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究

文献情報

文献番号
202111066A
報告書区分
総括
研究課題名
難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20FC2002
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学 医学部)
  • 武藤 香織(国立大学法人東京大学 医科学研究所)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 徳永 勝士(国立国際医療研究センター ゲノム医科学プロジェクト(戸山))
  • 林 義治(日本製薬工業協会 研究開発委員会)
  • 鎌谷 洋一郎(東京大学新領域創成科学研究科)
  • 小杉 眞司(国立大学法人京都大学 大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
38,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難病ゲノム医療の推進にあたり、令和元年12月に全ゲノム解析等実行計画が策定され、難病の全ゲノム解析等は、難病の早期診断、新たな治療法開発など、難病患者のより良い医療の推進のために実施し、全ゲノム解析等により、難病の本態解明、効果的な治療・診断方法の開発促進を進めていくこととした。具体的には、難病のゲノム解析拠点 [日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業において運営されているオミックス解析を通じて希少難治性疾患の医療に貢献する基盤研究(以下「オミックス解析研究」)の拠点及び希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究(以下「IRUD」)解析拠点] の検体及び今後提供される新たな検体を対象に先行解析を行い、本格解析の方針決定と体制整備を進めつつ、「難病プラットフォーム」、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業において実施中の「難病ゲノム医療に対応した遺伝カウンセリングの実態調査と教育システムの構築に関する研究」及び「難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究」と充分な連携を図りつつ実施することとされた。本研究では、全ゲノム解析等実行計画の着実な遂行に向け、難病ゲノム医療に関する各種研究班との連携の下、先行解析の円滑な実施及び本格解析ための体制整備を戦略的に進めることを目的とする。
研究方法
2年目にあたる令和3 (2021) 年度は、初年度に引き続いて各分担に分かれ、①協力医療機関、②同意書の検討・国民への普及啓発、③臨床情報の検討、④ゲノム基盤の運営・管理、⑤医薬品開発の促進に向けたゲノムデータ基盤のあり方、⑥国際連携、⑦人材育成等についての体制整備に関する検討を行った。「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)や「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」と連絡を取り合いながら検討を進めた。また全ゲノム解析等の推進に関する専門員会とも緊密な連携のもとに議論を進め、患者・家族会と協議して意見交換会を開催した。
結果と考察
2021年度は4月、6月、8月、10月、12月、2月に班会議を、2月には患者会との意見交換会を全てオンラインで開催し、以下の①〜⑦の様な成果が得られた。
①医療機関において備えるべき要件ならびに難病診療のエキスパートパネルについてとりまとめた。ゲノム医療要件(案)を満足する医療機関の現状調査を行った(竹内研究分担者)。
②説明同意の論点や遺伝情報の取り扱いについてまとめた。難病の患者・家族との勉強会や、厚生労働省および研究班構成員との意見交換会を開催し、患者・家族の視点からみた普及啓発の課題点を把握した(武藤研究分担者)。
③臨床情報について収集項目を抽出・分類し、データ入力システムを構築した。検体回収から報告書作成までの一連の工程を実施し、模擬エキスパートパネルを開催した(山野研究分担者)。
④「ゲノム基盤」の運営・管理方法の在り方を検討し、併せて運用手順書の作成を進め、その進捗状況を報告した(徳永研究分担者)。
⑤企業利活用の観点から、ゲノムデータ基盤に求める収集項目や機能をまとめ、被験者への説明同意書についてまとめた(林研究分担者)。
⑥指定難病-ICD11-Orphanet-OMIMについて最新データを用いた対応表を作成した。PanelAppのパネル遺伝子やGenCC(Gene Curation Coalition)について検討し報告した。難病ウェブサイトを運営する大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設のライフサイエンス統合データベースセンターと共同で進めることのできる部分について検討した(鎌谷研究分担者)。
⑦海外における遺伝カウンセラーの養成状況やゲノム医療の状況について、最新の情報を得た(小杉研究分担者)。
個別課題の検討に加えて、「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)、「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」、「未診断疾患イニシャチブ」(IRUD)などと連携して検討を進めた。
結論
計画通り各課題について議論を進め、先行解析研究、実証事業、IRUDなど関連する研究開発事業と緊密に連携して難病のゲノム医療推進に貢献した。また全ゲノム解析等の推進に関する専門員会と協力してゲノム医療全体の推進にも寄与し、患者・家族会と協議して意見交換会を開催し市民参画を推進した。

公開日・更新日

公開日
2022-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202111066B
報告書区分
総合
研究課題名
難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20FC2002
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学 医学部)
  • 武藤 香織(国立大学法人東京大学 医科学研究所)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 徳永 勝士(国立国際医療研究センター ゲノム医科学プロジェクト(戸山))
  • 林 義治(日本製薬工業協会 研究開発委員会)
  • 鎌谷 洋一郎(国立大学法人東京大学 新領域創成科学研究科)
  • 小杉 眞司(国立大学法人京都大学 大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難病ゲノム医療の推進にあたり、令和元年12月に全ゲノム解析等実行計画が策定され、難病の全ゲノム解析等は、難病の早期診断、新たな治療法開発など、難病患者のより良い医療の推進のために実施し、全ゲノム解析等により、難病の本態解明、効果的な治療・診断方法の開発促進を進めていくこととした。具体的には、難病のゲノム解析拠点 [日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業において運営されているオミックス解析を通じて希少難治性疾患の医療に貢献する基盤研究(以下「オミックス解析研究」)の拠点及び希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究(以下「IRUD」)解析拠点] の検体及び今後提供される新たな検体を対象に先行解析を行い、本格解析の方針決定と体制整備を進めつつ、「難病プラットフォーム」、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業において実施中の「難病ゲノム医療に対応した遺伝カウンセリングの実態調査と教育システムの構築に関する研究」及び「難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究」と充分な連携を図りつつ実施することとされた。本研究では、全ゲノム解析等実行計画の着実な遂行に向け、難病ゲノム医療に関する各種研究班との連携の下、先行解析の円滑な実施及び本格解析ための体制整備を戦略的に進めることを目的とする。
研究方法
令和2〜3 (2020〜2021) 年度は、計画通り①協力医療機関、②同意書の検討・国民への普及啓発、③臨床情報の検討、④ゲノム基盤の運営・管理、⑤医薬品開発の促進に向けたゲノムデータ基盤のあり方、⑥国際連携、⑦人材育成等についての体制整備に関して、各担研究者が検討し円滑な本格解析につなげる。「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)や「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」とも連携しながら検討を進める。また全ゲノム解析等の推進に関する専門員会などを通じてゲノム医療全体の推進にも貢献する。難病の患者・家族会と協力し市民参画を推進する。
結果と考察
2020年度は4月、6月、8月、12月、2月に班会議をオンラインで、10月に先行解析研究向けの説明会をオンラインと現地で開催した。2021年度は4月、6月、8月、10月、12月、2月に班会議を、2月には患者会との意見交換会を全てオンラインで開催し、以下の①〜⑦の様な成果が得られた。
①医療機関において備えるべき要件ならびに難病診療のエキスパートパネルについてとりまとめた。ゲノム医療要件(案)を満足する医療機関の現状調査を行った(竹内研究分担者)。
②説明同意の論点や遺伝情報の取り扱いについてまとめた。難病の患者・家族との勉強会や、厚生労働省および研究班構成員との意見交換会を開催し、患者・家族の視点からみた普及・啓発の課題点を把握した(武藤研究分担者)。
③臨床情報について収集項目を抽出・分類し、データ入力システムを構築した。実証事業と協力し検体回収から報告書作成までの一連の工程を実施し、模擬エキスパートパネルを開催した(山野研究分担者)。
④先行解析研究を運用しその進捗を報告しつつ、「ゲノム基盤」の運営・管理・利活用方法の在り方を検討した(徳永研究分担者)。
⑤企業利活用の観点から、国内外のゲノム基盤の調査や製薬協加盟企業へのアンケート調査を行い、ゲノムデータ基盤に求める収集項目や機能をまとめ、被験者への説明同意書についてまとめた(林研究分担者)。
⑥指定難病-ICD11-Orphanet-OMIMについて最新データを用いた対応表を作成した。PanelAppのパネル遺伝子やGenCC(Gene Curation Coalition)について検討し報告した。難病ウェブサイトを運営する大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設のライフサイエンス統合データベースセンターと共同で進めることのできる部分について検討した(鎌谷研究分担者)。
⑦海外における遺伝カウンセラーの養成状況やゲノム医療の状況について、最新の情報を得た(小杉研究分担者)。
個別課題の検討に加えて、「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)、「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」、「未診断疾患イニシャチブ」(IRUD)などとも緊密に連携しながら検討を進めた。これらの関連する事業も順調に進捗した。
結論
計画通り各課題について議論を進め、先行解析研究、実証事業、IRUDなど関連する研究開発事業と緊密に連携して難病のゲノム医療推進に貢献した。また全ゲノム解析等の推進に関する専門員会と協力してゲノム医療全体の推進にも寄与し、患者・家族会と協議して意見交換会を開催し市民参画を推進した。

公開日・更新日

公開日
2022-06-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2022-06-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202111066C

収支報告書

文献番号
202111066Z