文献情報
文献番号
200834035A
報告書区分
総括
研究課題名
前庭機能異常に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 行雄(国立大学法人富山大学 大学院医学薬学研究部（医学）耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 池園 哲郎(日本医科大学 医学部)
- 伊藤 壽一(京都大学 医学系研究科)
- 柿木 章伸(高知大学 医学部門)
- 肥塚 泉(聖マリアンナ医科大学 医学部)
- 鈴木 衞(東京医科大学 医学部)
- 髙橋克昌(群馬大学 医学部)
- 工田 昌也(広島大学 病院（医）)
- 武田 憲昭(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部（医学系）)
- 土井 勝美(大阪大学 医学系研究科)
- 山下 裕司(山口大学 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
メニエール病の診断基準改定と診療指針策定、疫学的特徴とくに有病率推定と発症年齢の推移、病態の解明とモデル動物の作成、内リンパ水腫の画像診断、診断効率と難治症例の治療効果向上などを目的とした。
研究方法
診断基準改定と診療指針作業を研究班班全体で開始した。研究班所属施設による疫学調査と有病率推定のための特定地区調査を行った。また、抗利尿ホルモンと発症との関係、治療に関連した基礎的研究、３TーMRIによる画像診断、各種の新検査、新治療法などに関する研究を各施設で分担して行った。
結果と考察
研究により以下の結果が得られた。1)今後の治療指針の策定の基礎となるメニエール病の新診断基準が作成された。2)メニエール病発症の高齢化と女性優位の年次推移が明らかとなり、また、本邦の患者数が約38,000?53,000名と推定されて、今後の継続的調査への基礎資料となった。3)メニエール病の発症に抗利尿ホルモンが大きく関与することが基礎的、臨床的研究で明らかとなり、また、内リンパ水腫モデル動物が作成されて、今後の治療法開発研究への応用が期待された。4)動物実験的に薬剤の内耳局所投与の安全性の検討、前庭保護物質の有用性の確認、前庭組織再生のための遺伝子導入などの研究が行われ、今後の進展が期待された。5)ガドリニウム造影による内リンパ水腫の質的、定量的画像診断が可能となり今後の臨床応用が期待された。6)難治性のメニエール病、遅発性内リンパ水腫に対する治療法として、有酸素運動導入、利尿剤と漢方薬の併用、水分摂取療法、新たに中耳加圧治療法が報告され、難治症例に対して良好な有効率が確認された。
結論
本研究班初年度の研究として、メニエール病・遅発性内リンパ水腫に対する、診断基準改定、疫学的研究、病態解明、治療効果向上などを目的とした基礎的臨床的諸研究が行われた。各研究においていくつかの新知見が報告され、今後２年間の研究班活動の中でさらに病態解明と有効な治療法の開発に発展させて行く所存である。
公開日・更新日
公開日
2009-04-13
更新日
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