中枢性摂食異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834025A
報告書区分
総括
研究課題
中枢性摂食異常症に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小川 佳宏(国立大学法人 東京医科歯科大学 難治疾患研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 芝崎 保(日本医科大学 大学院医学研究科)
  • 中尾一和(京都大学 大学院医学研究科)
  • 児島将康(久留米大学 分子生命科学研究所)
  • 吉松博信(大分大学 医学部)
  • 赤林 朗(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 赤水尚史(京都大学 医学部附属病院)
  • 鈴木眞理(政策研究大学院大学)
  • 久保千春(九州大学 大学院医学研究院)
  • 堀川玲子(国立成育医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本調査研究の目的は、中枢性摂食異常症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を組み合わせて本症の新しい対処法・治療法の開発を推進することである。
研究方法
研究目的の達成のために、分子生物学あるいは発生工学的手法を駆使した中枢性摂食調節機構に関する基礎研究、中枢性摂食異常症の病因・病態解明のための基礎研究と臨床研究、臨床現場に有効な対処法・治療法に関する臨床研究を推進した。
結果と考察
基礎研究では、カロリー制限とリバウンドにおける生体反応、特に骨格筋萎縮の分子機構に関する検討、中枢性摂食異常症におけるCRFや神経ヒスタミンあるいはグレリンの病態生理的意義に関する検討、代表的な中枢性摂食調節因子であるレプチンの感受性に関する検討を進めた。臨床研究では、ビュッフェ形式の食事摂取における心理テストや摂食関連ペプチドあるいは空腹感・満腹感を指標とした健常女性の1回食事量に影響を与える身体的・心理的因子に関する検討、アクチグラフを用いた摂食障害患者の過活動・排出行為などの代償行動の実態調査に向けた健常人における検討、人工股関節置換術周術期への投与臨床試験におけるグレリンの体組成、エネルギー代謝に及ぼす影響に関する検討、小児・思春期摂食障害における成長障害の実態調査、本症患者家族に対する心理教育用DVD vol. 2の作成を進めた。摂食障害のプライマリケアを援助する基幹医療施設のネットワーク形成を目指して、主任研究者と分担研究者以外に4施設の心療内科あるいは小児科専門医に研究協力者として参加を得てワーキンググループを立ち上げた。日本学術会議主催公開講座(気をつけよう!若い女性の「やせすぎ」)に参画し、一般市民の啓発活動を積極的に行った。


結論
臨床現場において有効な中枢性摂食異常症に関する対処法・治療法の開発を目指して、本症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を推進した。基礎研究により、中枢性摂食調節の分子機構、中枢性摂食異常症の病因・病態の分子レベルの解析が進んだ。一方、中枢性摂食異常症の病因・病態の臨床的理解が進み、グレリンの代謝調節作用や小児・思春期摂食障害における成長障害の実態など本症の成因・病態と治療薬開発に有用な情報が得られた。本調査研究の研究成果は、一般市民の啓発活動や新しく企画したワーキンググループを通して普及していきたい。