副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834024A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
藤枝 憲二(旭川医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 諸橋 憲一郎(九州大学大学院 医学研究院)
  • 宮本  薫(福井大学 医学部)
  • 柳瀬 敏彦(九州大学大学院 医学研究院)
  • 長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部)
  • 田島 敏広(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 勝又 規行(国立成育医療センター 研究所)
  • 加藤 茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所)
  • 田中 廣壽(東京大学 医科学研究所)
  • 西川 哲男(横浜労災病院)
  • 柴田 洋孝(慶應義塾大学 医学部)
  • 笹野 公伸(東北大学大学院 医学系研究科)
  • 宮森  勇(福井大学 医学部)
  • 武田 仁勇(金沢大学大学院 医学系研究科)
  • 上芝  元(東邦大学 医学部)
  • 田村 尚久(京都大学大学院 医学研究科)
  • 佐藤 文俊(東北大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
副腎の発生・分化、ステロイドホルモン産生・作用に異常を呈する疾患を対象に病因・病態の解明、新しい診断法・治療法の開発、疾患の実態調査を行い、診療ガイドライン作成を目標とする。
研究方法
7分野について研究を進めた。1)先天性副腎酵素異常症の生化学・遺伝子診断システムの構築と病態の解明、2)副腎の発生・分化機構の解明、3)副腎再生による新しい副腎不全治療法の開発、4)原発性アルドステロン症の診断基準策定と治療法の検討、5)ステロイド作用に関わる受容体とその異常の解析、6)副腎癌の診断・治療法の検討、7)副腎ホルモン産生異常症の全国疫学調査。
結果と考察
1)新生児尿中ステロイド代謝物の在胎週数別基準範囲を設定した。先天性リポイド過形成症の病態の多様性を責任遺伝子STARの残存活性で説明可能なことを示した。2)マウス胎仔副腎でAd4BP/SF-1発現量が胎仔副腎皮質の構成細胞数を決定する可能性について示した。3)Ad4BP/SF-1、LRH-1の導入により幹細胞がエピジェネティックな変化を伴ってステロイドホルモン産生細胞へと分化誘導可能なことを示した。4)超選択的ACTH負荷副腎静脈採血によりホルモン過剰産生部位診断能を副腎内分枝レベルまで精緻化できることを示した。初診高血圧患者において二次性高血圧発見のために有用な一次及び二次スクリーニング検査法について示し、その頻度が10%であることを明らかにした。コルチゾール迅速測定キットを開発し、副腎静脈採血時の迅速測定が検体採取成功率をあげることを示した。5)グルココルチコイド(GC)転写制御に関与するグルココルチコイド受容体結合因子群の同定に成功した。GC作用調節因子HEXIM1の役割を明らかにした。6)副腎偶発腫として発見された腫瘍が副腎癌である場合、直ちに治療することの重要性が再認識された。7)病床数200床以上の病院で内科、小児科、泌尿器を標榜する施設を対象に先天性副腎過形成症、POR異常症、先天性副腎低形成症、偽性低アルドステロン症、11β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症、ACTH不応症、グルココルチコイド抵抗症、原発性アルドステロン症、副腎性preclinical Cushing症候群、Addison病、褐色細胞腫の各患者数について一次調査を行った。
結論
さまざまな角度から臨床的・基礎的研究を行い初年度としては多くの成果を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2009-06-11
更新日
-