自己免疫疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834020A
報告書区分
総括
研究課題名
自己免疫疾患に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一彦(東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学)
研究分担者(所属機関)
  • 渥美 達也(北海道大学大学院第二内科)
  • 小野 栄夫(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻病理学講座病理形態学分野)
  • 石井 智徳(東北大学病院血液免疫科)
  • 岡崎 仁昭(自治医科大学医学教育センター)
  • 住田 孝之 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 三村 俊英(埼玉医科大学リウマチ膠原病科 )
  • 竹内 勤(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ膠原病内科 )
  • 三森 明夫(国立国際医療センター第一病棟 )
  • 平形 道人(慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター)
  • 高田 和生(東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・リウマチ内科 )
  • 天野 浩文(天堂大学医学部膠原病内科 )
  • 広瀬 幸子(順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座 )
  • 山田 亮(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターゲノム機能解析分野 )
  • 首藤 紘一(財団法人乙卯研究所 )
  • 三宅 幸子(国立精神・神経ンター神経研究所免疫研究部 )
  • 加藤 智啓(聖マリアンナ医科大学疾患プロテオーム分子病態治療学 )
  • 西本 憲弘(和歌山県立医科大学医学部免疫制御学講座)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部第一内科学講座 )
  • 蒲池 誠(長崎大学医歯薬学大学院総合研究科・展開医療科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM)、シェーグレン症候群(SS)、成人スティル病(AOSD)などの自己免疫疾患に対して、共同研究事業として、ゲノムの解析の為のサンプル収集、SLEの各種病態に対する適正治療方針の検討、新規治療法の導入のための臨床治験、個別研究として病態解明、先端的治療法の開発などの研究を目的とした。
研究方法
共同研究は参加可能な分担研究者でワーキンググループを組織し、個別研究はそれぞれの分担研究者が単独または、それぞれの研究者間の情報交換を行いながら推進した。
結果と考察
ゲノム解析に関してはSLEのDNAサンプル収集を平成19年度に引き続き行った。また、ゲノムワイド関連解析を行うための解析手法・ツールを開発を進めた。
病因、病態解析に関しては、疾患モデルでの発症関連遺伝子とヒトの疾患での比較、SLEにおける免疫担当細胞の異常活性化に係わる遺伝要因の解明、Fcレセプターと単球の役割と病態形成との関与、免疫寛容維持に重要な分子機序の解明などを行った。
SLEを対象とした研究では、腎炎惹起性T細胞のT細胞レセプター(TCR)の単離と再構成による病態の解明手法の開発、腎炎におけるポドサイトの研究、SLEにおける組織障害性抗DNA抗体の産生機序の解明、SLE患者のT細胞で観察されるTCRゼータ鎖の発現低下の分子機序の解明、インターロイキン(IL)-1ファミリーのIL-33とその受容体の関与の研究、自己抗原の翻訳後修飾の検出などの研究を進めた。また、制御性T細胞を増加させる薬物の研究も行った。
SELの臨床的検討では、ループス腎炎の発生時期と治療薬との関係の検討、複数検出される抗リン脂質抗体と診断との研究などを行った。
SLE以外の疾患では、筋炎特異自己抗体の免疫学的性状や臨床的意義の研究、SSにおける病態形成性の自己抗体の研究、AOSDでの多彩なサイトカインとそれを抑える生物学的製剤の研究が行われた。
治療に関しては、PM/DMに合併する間質性肺炎に対するタクロリムスの有効性及び安全性の検討、治療抵抗性のSLEにおけるB細胞を標的としたCD20抗体の臨床試験などを行った。
結論
一定の成果を挙げたが、共同研究を中心にさらなる研究推進が必要である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-03
更新日
-