文献情報
研究課題名
発汗異常を伴う稀少難治療性疾患の治療指針作成、疫学調査の研究
研究代表者(所属機関)
横関 博雄(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 皮膚科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究報告書(概要版)
研究報告書(PDF)
研究報告書(紙媒体)
文献情報
研究課題名
発汗異常を伴う稀少難治療性疾患の治療指針作成、疫学調査の研究
研究代表者(所属機関)
横関 博雄(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 皮膚科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究報告書(概要版)
研究報告書(PDF)
研究報告書(紙媒体)
行政効果報告
成果
専門的・学術的観点からの成果
特発性後天性全身性無汗(AIGA)のの検討ではステロイドパルス療法が有効であった。世界で初めての報告である。また分子標的薬などの開発が可能になった。
無(低)汗性外胚葉形成不全症ではアレルギー疾患が併発することは世界で初めて明らかにされた。
先天性無痛無汗症では患者家族の抱える固有の問題とニーズを洗い出すことを目的にアンケート調査を行った。
肥厚性皮膚骨膜症(PDP)では小腸潰瘍症の頻度が12.2%と報告され平成22年の全国調査に比べ掌蹠多汗症の頻度が64.3%と約2倍であることが判明した。
臨床的観点からの成果
特発性後天性全身性無汗(AIGA)のの検討ではステロイドパルス療法が有効であった。世界で初めての報告である。また分子標的薬などの開発が可能になった。
無(低)汗性外胚葉形成不全症ではアレルギー疾患が併発することは世界で初めて明らかにされた。
先天性無痛無汗症では患者家族の抱える固有の問題とニーズを洗い出すことを目的にアンケート調査を行った。
肥厚性皮膚骨膜症(PDP)では小腸潰瘍症の頻度が12.2%と報告され平成22年の全国調査に比べ掌蹠多汗症の頻度が64.3%と約2倍であることが判明した。
ガイドライン等の開発
原発性局所多汗症は本邦では難治性疾患として認識されておらず未治療もしくは不適切な処置がなされている。2009年ガイドライン作成、2015年に改訂、さらに2020年11月には抗コリン外用薬が保険適応となり新たに改定が必要となった。現在日本皮膚科学会にて審査中である。特発性後天性全身性無汗症(AIGA) (指定難病163)は現在、診療ガイドラインが改定(自律神経)されさらに英文のガイドラインも策定された。無汗性外胚葉形成異常症、無痛無汗症は治療手引きを策定した。
その他行政的観点からの成果
発症頻度、治療ガイドラインが作成されることにより現在、ステロイドパルス療法などが適応の有無に関わらず施行されている過剰医療を抑制して重症度に応じた治療指針により医療費削減も期待できる。無汗症を伴う活動期の青年層がうつ熱のため労働、勉学などが十分にできない状態を改善し適切に治療することにより無汗症を伴う青年層の勤勉、勤労意欲を高めことが可能となり日本の経済生産性も向上する。肥厚性皮膚骨膜症は多汗症を伴うが多汗症診療ガイドラインを策定して適切な治療をすることによりQOL,労働生産性が向上する。
その他のインパクト
特発性後天性全身性無汗症のガイトラインが策定されステロイドパルス療法が有効であることがエビデンスレベルで証明されたことにより読売新聞(2021年3月17日朝刊)に「汗でなくなる難病(無汗症)」に掲載され多くの国民に認知された。
特許
主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)
収支報告書
支出
研究費 (内訳) |
直接研究費 |
物品費 |
1,758,982円 |
人件費・謝金 |
4,204,404円 |
旅費 |
73,880円 |
その他 |
881,942円 |
間接経費 |
2,100,000円 |
合計 |
9,019,208円 |