医療観察法鑑定入院制度の適正化に関する研究

文献情報

文献番号
200833062A
報告書区分
総括
研究課題名
医療観察法鑑定入院制度の適正化に関する研究
課題番号
H20-こころ・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
五十嵐 禎人(国立大学法人千葉大学 社会精神保健教育研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 松原 三郎(医療法人財団松原愛育会松原病院)
  • 平野 誠(独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)による医療の要否を判定するために行われる医療観察法鑑定入院制度の運用の現状と問題点を把握し、これらの具体的な改善策を検討し、医療観察法鑑定入院制度の適正な運用のための政策提言を行うことを目的として研究を行った。
研究方法
「鑑定医の資質の向上に関する研究」、「鑑定入院医療機関の高規格化に関する研究」、「鑑定業務の教育研修に関する研究」の3つの分担研究課題を設定して研究を行った。各分担研究は相互に関連性のある内容であり各研究分担者と密に経過等の情報交換を行いながら進めた。
結果と考察
「鑑定医の資質の向上に関する研究」では、鑑定の質の向上をはかるために、①鑑定医と主治医とは分けること、②鑑定を行うにあたっては多職種チームを構成すること、③鑑定事例検討会を開催すること、④事例ごとの判定基準を明確にしていくこと、が必要であることを明らかにした。
「鑑定入院医療機関の高規格化に関する研究」では、時間的な制約のある医療観察法鑑定入院において、質の高い鑑定書を作成するためには、行動制限を少なくした状態で対象者の行動観察を行うことが重要であり、そのためには、ハード・ソフト両面の充実が必要であることを明らかにした。
「鑑定業務の教育研修に関する研究」では、医療観察法鑑定入院に関して十分な経験をもつと思われる精神保健判定医の医療観察法鑑定入院に関する意見を調査した。その結果、回答者の意見は、鑑定入院医療機関を対象として行われた先行研究と比較して、より集約されている傾向にあり、鑑定入院の理解度も高く、エキスパート・コンセンサスとして集約する意義があることを明らかとした。
結論
医療観察法鑑定入院制度の現状とその問題点、具体的な改善策の方向性が明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-10
更新日
-