文献情報
文献番号
202108054A
報告書区分
総括
研究課題名
がん検診事業の評価に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21EA2001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 宏和(国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター検診研究部検診実施管理研究室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
がん検診を効果的に実施するためには、適切な精度管理に基づき、プロセスや実施結果を評価し、改善に向けた取組を繰り返し行うことが重要である。我が国のがん検診の精度管理・事業評価については、平成20年3月に「今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方報告書(以下、報告書)」が策定され、健康増進法に基づく市町村事業等のがん検診の参考とされてきた。報告書では、精度管理の指標として、技術・体制的指標及びプロセス評価を用いることに加え、前者の具体的内容として「事業評価のためのチェックリスト(以下、チェックリスト)」「仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目」、後者については、要精検率や精検受診率等に基づく指標が提案、策定された。その後、チェックリストについては、個別検診の増加等に対応するため、厚生労働科学研究補助金による研究等に基づき改訂が行われてきた。また、第3期がん対策推進基本計画に基づき、職域においても科学的根拠に基づくがん検診が実施されるよう、保険者等への参考として「職域におけるがん検診に関するマニュアル(平成30年3月)」が策定された際には、報告書を参考にした精度管理・事業評価に関する内容がまとめられた。
このように、がん検診の精度管理・事業評価は、がん検診の有効性を高めていくために重要な一翼を担っていることから、必要に応じた適宜の見直しは行われてきた一方、報告書の全体的な見直しについては、策定から10年以上行われてこなかった。本研究では、令和2年度に行われた、報告書の課題抽出及び、改正案作成ついて継続して議論し、他の関連研究班とも適宜情報共有をしつつ、修正案を作成した上で、「がん検診のあり方に関する検討会(以下、検討会)」に報告することを目指す。
このように、がん検診の精度管理・事業評価は、がん検診の有効性を高めていくために重要な一翼を担っていることから、必要に応じた適宜の見直しは行われてきた一方、報告書の全体的な見直しについては、策定から10年以上行われてこなかった。本研究では、令和2年度に行われた、報告書の課題抽出及び、改正案作成ついて継続して議論し、他の関連研究班とも適宜情報共有をしつつ、修正案を作成した上で、「がん検診のあり方に関する検討会(以下、検討会)」に報告することを目指す。
研究方法
○ 報告書における課題の整理
・平成20年の報告書の内容については、「正確な受診率の把握について」等、その後、必要な検討が行われたため、報告書の内容と一致しない項目があることが指摘されている。令和2年度は、過去の見直し内容を含め、検討が必要な課題を整理し、改定案作成および都道府県担当者への説明会を行った。本年度は、意見を整理し、職域におけるがん検診の実態や他の研究班の成果をふまえた検討を行う。
・尚、検討に当たっては、関連する厚生労働科学研究補助金による研究(「より適切ながん検診の提供に関する研究(代表者;高橋宏和)、「職域における、より質の高いがん検診を提供するための研究(代表者:祖父江友孝)等」における取組と整合性を確保するよう努める。
○ 個別課題に関する検討
・受診率向上や精度管理・事業評価に関する個別課題について必要な見直しを行う。また、前述「報告書における課題の整理」において、既存の取組以外の課題が挙げられた場合についても、同様に個別研究を行うこととする。
○ がん検診のあり方に関する検討会への報告
・改正案を修正後、がん検診のあり方に関する検討会へ報告し、今後のがん検診事業のあり方の一助とする。
・平成20年の報告書の内容については、「正確な受診率の把握について」等、その後、必要な検討が行われたため、報告書の内容と一致しない項目があることが指摘されている。令和2年度は、過去の見直し内容を含め、検討が必要な課題を整理し、改定案作成および都道府県担当者への説明会を行った。本年度は、意見を整理し、職域におけるがん検診の実態や他の研究班の成果をふまえた検討を行う。
・尚、検討に当たっては、関連する厚生労働科学研究補助金による研究(「より適切ながん検診の提供に関する研究(代表者;高橋宏和)、「職域における、より質の高いがん検診を提供するための研究(代表者:祖父江友孝)等」における取組と整合性を確保するよう努める。
○ 個別課題に関する検討
・受診率向上や精度管理・事業評価に関する個別課題について必要な見直しを行う。また、前述「報告書における課題の整理」において、既存の取組以外の課題が挙げられた場合についても、同様に個別研究を行うこととする。
○ がん検診のあり方に関する検討会への報告
・改正案を修正後、がん検診のあり方に関する検討会へ報告し、今後のがん検診事業のあり方の一助とする。
結果と考察
令和3年度に2回の班会議を開催し、以下のように意見を集約した。
○ 報告書における課題の整理
平成20年の報告書について、内容が変更・追加された項目を修正した。特に構成については総論と各論を分けるなど大幅な見直しを行い、分かりやすい内容になるように修正を加えた。班会議では、住民検診・職域検診における専門家の意見をふまえ修正し、2021年2月に都道府県向け説明会を開催することにより、自治体の意見を取り入れ再度修正し、第33回がん検診のあり方に関する検討会に報告した。プロセス指標の基準値の見直しについては、実測値との乖離があるため、学会関係者などとの調整が必要である。
○ 個別課題に関する検討
受診率向上や精度管理・事業評価に関する個別課題について必要な見直しを行った。検討に当たり、関連する厚生労働科学研究補助金による研究(「より適切ながん検診の提供に関する研究(代表者;高橋宏和)」、「職域におけるより質の高いがん検診を提供するための研究(代表者:祖父江友孝)等」)における取組と整合性を確保した。また、班会議で議論された項目のうち、今後検討が必要とされる課題については、別建てとして報告書に記載した。
○ がん検診のあり方に関する検討会への報告
研究成果について、第33回がん検診のあり方に関する検討会および第34回がん検診のあり方に関する検討会において報告を行い、今後のがん検診事業のあり方の参考資料として貢献した。
○ 報告書における課題の整理
平成20年の報告書について、内容が変更・追加された項目を修正した。特に構成については総論と各論を分けるなど大幅な見直しを行い、分かりやすい内容になるように修正を加えた。班会議では、住民検診・職域検診における専門家の意見をふまえ修正し、2021年2月に都道府県向け説明会を開催することにより、自治体の意見を取り入れ再度修正し、第33回がん検診のあり方に関する検討会に報告した。プロセス指標の基準値の見直しについては、実測値との乖離があるため、学会関係者などとの調整が必要である。
○ 個別課題に関する検討
受診率向上や精度管理・事業評価に関する個別課題について必要な見直しを行った。検討に当たり、関連する厚生労働科学研究補助金による研究(「より適切ながん検診の提供に関する研究(代表者;高橋宏和)」、「職域におけるより質の高いがん検診を提供するための研究(代表者:祖父江友孝)等」)における取組と整合性を確保した。また、班会議で議論された項目のうち、今後検討が必要とされる課題については、別建てとして報告書に記載した。
○ がん検診のあり方に関する検討会への報告
研究成果について、第33回がん検診のあり方に関する検討会および第34回がん検診のあり方に関する検討会において報告を行い、今後のがん検診事業のあり方の参考資料として貢献した。
結論
がん検診事業に関する平成20年の報告書の改定案を取りまとめ、がん検診のあり方に関する検討会へ報告した。本研究の成果は、厚生労働省より発出される報告書の基礎資料として活用されることにより、がん検診の質の向上に貢献することが期待される。
公開日・更新日
公開日
2022-05-27
更新日
-