文献情報
文献番号
202108051A
報告書区分
総括
研究課題名
全ゲノム解析を基盤としたがんゲノム医療の実装に向けた患者還元、解析・データセンター、ELSI体制構築についての研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21EA1011
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
中釜 斉(国立研究開発法人 国立がん研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 河野 隆志(国立研究開発法人国立がん研究センター 研究所 ゲノム生物学研究分野)
- 井元 清哉(東京大学 医科学研究所)
- 横野 恵(早稲田大学 社会科学部)
- 織田 克利(東京大学大学院医学系研究科統合ゲノム学分野)
- 白石 友一(国立がん研究センター 研究所 ゲノム解析基盤開発分野)
- 田代 志門(東北大学 大学院文学研究科)
- 青木 一教(独立行政法人国立がん研究センター 研究所分子細胞治療研究分野)
- 徳永 勝士(国立国際医療研究センター ゲノム医科学プロジェクト(戸山))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
150,001,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は、がん全ゲノム解析等の推進に向けた患者還元、解析・データセンター、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)等についての専門的、技術的な検討を行い、また、実際の全ゲノム先行解析の実施状況を踏まえつつ必要な課題について検討し、報告資料として取りまとめることを目的とする。本報告資料を取りまとめ、厚生労働省厚生科学審議会の科学技術部会のもとに新たに設置された「全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会」における検討のために提出する。
研究方法
①患者還元、②解析・データセンター、③ELSI④事業実施組織の4つの専門的検討グループを構成し、AMED研究で実施される全ゲノム先行研究課題での課題等を踏まえつつ、様々な分野の専門家、関係学会、患者団体、データ利活用団体と意見交換を行い、報告資料を取りまとめる。
結果と考察
【結果】患者還元、解析・データセンター、ELSIのそれぞれについて、検討・解決すべき課題を挙げ、関係者へのヒアリングや意見交換を行うとともに、研究班内で議論を行い、報告資料を取りまとめた。報告資料については、第3回(令和3年7月6日)、第4回(令和3年7月30日)、第5回(令和3年9月17日)、第6回(令和3年11月18日)、第7回(令和4年1月18日)、第8回(令和4年3月2日)の全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会での資料として提出され、議論の題材として用いられた。また、適宜、委員会の議論の結果にもとづき、修正などの対応も行った。本議論の結果に基づき、全ゲノム解析等実行計画に基づいたがんゲノム医療の実装や全ゲノム解析等実行計画の見直し(第二版の作成)が今後進められると考えられる。
具体的な検討事項としては、患者還元に関しては、全ゲノム解析等の対象とする患者、実施機関について、ゲノム解析のSOP、データ共有ルール、データ利活用審査委員会などであった。解析・データセンターに関しては、統一解析パイプライン、ゲノムデータベース、臨床情報DB構築、レポート作成システム、研究支援システム、情報管理、データ利活用、システム開発や環境構築、バイオインフォマティシャン等の人材育成についてなどであった。また、ELSIに関連しては、ICFの作成方針、患者・市民参画(PPI)の推進などであり、報告資料に加えて、「全ゲノム解析等実行計画」説明文書用モデル文案を策定した。また、ICFを補助するものとして、患者説明用のパンフレット案の作成を行った。事業実施組織については、全ゲノム解析等の推進に係る事業実施組織準備室の発足に必要な項目について検討を開始した。
【考察】患者還元、解析・データセンター、ELSI事業実施組織について、検討・解決すべき課題を挙げ、関係者へのヒアリングや意見交換を行うとともに、研究班内で議論を行い、報告資料を全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会に提出した。複数回開かれた委員会では、各検討項目について深堀及び再考すべき点が挙げられ、さらに、人工知能や電子的ICなど、WGを超えて調査・議論すべき項目が追加提案された。次年度以降、事業実施組織における実装の実現性やタイミングを見据え、当該WG内、および、複数WGに亘って検討を行うこととする。
具体的な検討事項としては、患者還元に関しては、全ゲノム解析等の対象とする患者、実施機関について、ゲノム解析のSOP、データ共有ルール、データ利活用審査委員会などであった。解析・データセンターに関しては、統一解析パイプライン、ゲノムデータベース、臨床情報DB構築、レポート作成システム、研究支援システム、情報管理、データ利活用、システム開発や環境構築、バイオインフォマティシャン等の人材育成についてなどであった。また、ELSIに関連しては、ICFの作成方針、患者・市民参画(PPI)の推進などであり、報告資料に加えて、「全ゲノム解析等実行計画」説明文書用モデル文案を策定した。また、ICFを補助するものとして、患者説明用のパンフレット案の作成を行った。事業実施組織については、全ゲノム解析等の推進に係る事業実施組織準備室の発足に必要な項目について検討を開始した。
【考察】患者還元、解析・データセンター、ELSI事業実施組織について、検討・解決すべき課題を挙げ、関係者へのヒアリングや意見交換を行うとともに、研究班内で議論を行い、報告資料を全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会に提出した。複数回開かれた委員会では、各検討項目について深堀及び再考すべき点が挙げられ、さらに、人工知能や電子的ICなど、WGを超えて調査・議論すべき項目が追加提案された。次年度以降、事業実施組織における実装の実現性やタイミングを見据え、当該WG内、および、複数WGに亘って検討を行うこととする。
結論
がん全ゲノム解析等の推進に向けた患者還元、解析・データセンター、ELSI等についての専門的、技術的な検討を行い、その報告資料は全ゲノム解析等の推進に関する専門委員会で検討に供され、基盤的な資料としての役割を果たした。本委員会での指摘事項を踏まえ、次年度以降、より詳細かつ丁寧な議論・検討を本研究班で行う。
公開日・更新日
公開日
2022-08-15
更新日
2023-10-13