文献情報
文献番号
202108045A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者消化器がん手術における診療指針策定と、指針普及・人材育成を目指した協働型意思決定支援システムおよび病院評価プログラムの開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
21EA1005
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
丸橋 繁(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部 肝胆膵・移植外科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 後藤 満一(大阪府立急性期・総合医療センター)
- 掛地 吉弘(神戸大学大学院医学研究院 食道胃腸外学)
- 北川 雄光(慶應義塾大学 医学部 外科学(一般・消化器外科))
- 瀬戸 泰之(東京大学 医学部附属病院)
- 楽木 宏実(大阪大学大学院 医学系研究科 老年・総合内科学)
- 秋下 雅弘(東京大学 医学部附属病院 老年病科)
- 中島 和江(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院)
- 宮田 裕章(慶應義塾大学 医学部 医療政策・管理学教室)
- 隈丸 拓(東京大学 医学部附属病院)
- 高橋 新(慶應義塾大学医学部 医療政策・管理学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
全国手術データベース(NCD)を用いて消化器外科主要術式に対する高齢者指標を取り入れたリスクモデルの開発を行い、患者報告アウトカム(PRO)データ登録システムを開発運用して、医師患者協働型意思決定支援システムの確立・応用を行う。さらに高齢者消化器外科手術診療指針の作成、普及によって、高齢者に対する消化器外科手術医療品質の向上を目指す。
研究方法
1. 全国手術データベース(NCD)を用いた、消化器外科主要術式に対する高齢者指標を取り入れた高齢者消化器がん手術周術期リスクモデルの開発
(1) 新規開発したNCD高齢者周術期登録システムを用いた全国症例登録
先行研究で明らかになった周術期アウトカムに関連する高齢者指標をNCD登録する、高齢者周術期登録システムを開発し、令和3年1月より登録が開始している。
(2) 統計解析とリスクモデル(強化版)の構築
NCDデータを解析し、高齢者消化器がん手術周術期リスクモデル(強化版)を作成する。
2. 高齢者アウトカム予測式を用いた協働型意思決定支援システムの確立・応用
(1) 高齢者アウトカム予測式を用いた協働型意思決定支援システムの開発
先行研究で開発した高齢者アウトカム予測式を元に、新たにiPad/スマートフォンのアプリケーション・ソフトウェアを開発し、基本臨床データと共に高齢者指標を入力することで、医療従事者、患者・家族の双方で高齢者アウトカム予測結果を簡易に表示できる協働型意思決定支援システムを確立する。また、患者・家族が術後の状態を報告(Patient reported outcomes, PROs)する患者報告システムを取り入れ、双方向の情報共有を可能とする。
3. 高齢者消化器外科手術診療指針の作成
(1) 日本版高齢者消化器外科手術診療指針の作成と普及
米国での老人外科診療ガイドラインを参考に、先行研究で明らかになった我が国の高齢者医療の特徴を踏まえ、日本の医療システムに適合するような日本版高齢者消化器外科手術診療指針を作成する。
(2) 高齢者外科指導医/コーディネーターの認定と病院評価プログラムの開発
診療指針を元に、複数のがん診療連携拠点病院訪問を行い、診療指針の正しい理解や実践の程度などを評価し、各病院の医師、看護師や事務職員へフィードバックを行う、病院評価プログラムを確立する。
(1) 新規開発したNCD高齢者周術期登録システムを用いた全国症例登録
先行研究で明らかになった周術期アウトカムに関連する高齢者指標をNCD登録する、高齢者周術期登録システムを開発し、令和3年1月より登録が開始している。
(2) 統計解析とリスクモデル(強化版)の構築
NCDデータを解析し、高齢者消化器がん手術周術期リスクモデル(強化版)を作成する。
2. 高齢者アウトカム予測式を用いた協働型意思決定支援システムの確立・応用
(1) 高齢者アウトカム予測式を用いた協働型意思決定支援システムの開発
先行研究で開発した高齢者アウトカム予測式を元に、新たにiPad/スマートフォンのアプリケーション・ソフトウェアを開発し、基本臨床データと共に高齢者指標を入力することで、医療従事者、患者・家族の双方で高齢者アウトカム予測結果を簡易に表示できる協働型意思決定支援システムを確立する。また、患者・家族が術後の状態を報告(Patient reported outcomes, PROs)する患者報告システムを取り入れ、双方向の情報共有を可能とする。
3. 高齢者消化器外科手術診療指針の作成
(1) 日本版高齢者消化器外科手術診療指針の作成と普及
米国での老人外科診療ガイドラインを参考に、先行研究で明らかになった我が国の高齢者医療の特徴を踏まえ、日本の医療システムに適合するような日本版高齢者消化器外科手術診療指針を作成する。
(2) 高齢者外科指導医/コーディネーターの認定と病院評価プログラムの開発
診療指針を元に、複数のがん診療連携拠点病院訪問を行い、診療指針の正しい理解や実践の程度などを評価し、各病院の医師、看護師や事務職員へフィードバックを行う、病院評価プログラムを確立する。
結果と考察
全国手術データベース(NCD)を用いた、消化器外科主要術式に対する高齢者指標を取り入れた高齢者消化器がん手術周術期リスクモデルの開発に関しては。新規開発したNCD高齢者周術期登録システムを用いた全国症例登録を行った。全国の消化器外科手術登録施設2947施設のうち、本研究の高齢者項目に902施設が参加している(2021年11月11日現在)。令和4年度は、データの収集状況を確認し、リスクモデル開発のための解析を行う予定である。
協働型意思決定支援システムでは、G8、EQ5D、EORTC-C30を、術前、術後30日、90日で、iOSアプリを利用して収集することとした。収集したデータはNCDサーバ内に蓄積され、他のNCDデータと紐つけることが可能なプラットフォームを開発した。また、高齢者指標予測の結果を、同じシステム内で、医師および医療チームと患者/家族が共有できるようシステム開発した。令和4年3月の時点で、運用テスト段階であり、令和4年5月の完成を目指す。また、対象施設を限定して開始し、問題点や改善点を明らかにして修正した上で、全国施設で利用できるよう準備する。
高齢者消化器外科手術診療指針に関して、指針ワーキングを立ち上げ、各専門家からの指針案をまとめ、分担研究者によって査読が行われ、修正がなされた。令和4年4月にパブリックコメントを行い、完成版を作成する予定である。
3方向のプロジェクトをすすめることで、最終目標の「高齢者に対する消化器外科手術医療品質の向上」達成のためのデータ収集およびシステム構築を行うことができた。また、NCD登録と連動した、高齢者指標の収集が全国レベルで行うことができた。令和4年度は、これらのシステムのリリースと、令和3年に収集されたデータの解析を中心に研究を組み立てた。
大規模データベースを用いた、高齢者リスクモデル研究は他に例がないこと、NCDを用いたPRO研究は初めての研究であること、高齢者外科手術の指針はこれまでになかったこと、から、大変重要かつ意義のある研究が実施されていると評価できる。
協働型意思決定支援システムでは、G8、EQ5D、EORTC-C30を、術前、術後30日、90日で、iOSアプリを利用して収集することとした。収集したデータはNCDサーバ内に蓄積され、他のNCDデータと紐つけることが可能なプラットフォームを開発した。また、高齢者指標予測の結果を、同じシステム内で、医師および医療チームと患者/家族が共有できるようシステム開発した。令和4年3月の時点で、運用テスト段階であり、令和4年5月の完成を目指す。また、対象施設を限定して開始し、問題点や改善点を明らかにして修正した上で、全国施設で利用できるよう準備する。
高齢者消化器外科手術診療指針に関して、指針ワーキングを立ち上げ、各専門家からの指針案をまとめ、分担研究者によって査読が行われ、修正がなされた。令和4年4月にパブリックコメントを行い、完成版を作成する予定である。
3方向のプロジェクトをすすめることで、最終目標の「高齢者に対する消化器外科手術医療品質の向上」達成のためのデータ収集およびシステム構築を行うことができた。また、NCD登録と連動した、高齢者指標の収集が全国レベルで行うことができた。令和4年度は、これらのシステムのリリースと、令和3年に収集されたデータの解析を中心に研究を組み立てた。
大規模データベースを用いた、高齢者リスクモデル研究は他に例がないこと、NCDを用いたPRO研究は初めての研究であること、高齢者外科手術の指針はこれまでになかったこと、から、大変重要かつ意義のある研究が実施されていると評価できる。
結論
3方向のプロジェクトをすすめることで、最終目標の「高齢者に対する消化器外科手術医療品質の向上」達成のためのデータ収集およびシステム構築を行うことができた。令和4年度も引き続き研究を推進し、社会、医療への良いインパクトを与えたいと考えている
公開日・更新日
公開日
2022-05-27
更新日
-