精神療法の実施方法と有効性に関する研究

文献情報

文献番号
200833030A
報告書区分
総括
研究課題名
精神療法の実施方法と有効性に関する研究
課題番号
H19-こころ・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大野 裕(慶應義塾大学 保健管理センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 泰昌(広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学)
  • 中川 彰子(川崎医科大学精神神経科学教室・九州大学大学院医学研究院精神病態医学)
  • 古川 壽亮(名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野)
  • 石井 朝子(社会福祉法人礼拝会ミカエラ寮)
  • 仲本 晴男(沖縄県立総合精神保健福祉センター)
  • 清水 栄司(千葉大学教授大学院医学研究院(神経情報統合生理学))
  • 中島 聡美(国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部犯罪被害者等支援研究室)
  • 池上 秀明(池上クリニック)
  • 水島 広子(水島広子こころの健康クリニック)
  • 元村 直靖(大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター)
  • 藤澤 大介(慶應義塾大学医学部精神・神経科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、有病率が高く社会生活への影響も大きいことが明らかにされているうつ病性障害、不安障害(パニック障害、社会不安障害、強迫性障害)、複雑性悲嘆、境界性パーソナリティ障害、および摂食障害に対して、基礎となるマニュアルにそって認知行動療法などの精神療法を施行し、わが国の臨床場面における精神療法の効果と有用性を体系的に検証することを目的として行っているものである。
研究方法
①米で効果があるというエビデンスが多く報告されている認知行動療法などの精神療法をマニュアルに準拠して行い、うつ病および不安障害(パニック障害、社会不安障害、強迫性障害)、パーソナリティ障害に対する効果の検証を開始した。
②医科診療報酬点数表に規定されている点数項目であり、精神科の診療で広く行われている通院精神療法通院精神療法の申請の実態を調査した。
③広く国内外の文献検索を行い、認知行動療法の研修案を作成した。
④うつ病、パニック障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害の国内外のエビデンスを収集した。
結果と考察
①認知行動療法などの精神療法がうつ病および不安障害(パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害)、パーソナリティ障害に対して効果的である可能性が示された。さらに、うつ病に関しては、研究の精度を高めるためにRCTによる効果を開始し、症例を蓄積中である。
②「通院・在宅精神療法」が、地域ニーズに応える精神科外来診療を提供する医師技術料としての重要部分を占めていることが明らかになった。
③これまでの研修の実績と国内外の文献をもとに、認知行動療法の研修案を作成した。
④わが国における認知行動療法の有用性に関するエビデンス
⑤うつ病性障害および不安障害に対する認知行動療法は、わが国においても有用であることが示された。
結論
認知行動療法がが、うつ病性障害および不安障害に対して有用な治療法である可能性が示され、さらに研究を積み重ねる必要があることが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2009-05-25
更新日
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