精神科領域における臨床研究推進のための基盤作りに関する研究

文献情報

文献番号
200833028A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科領域における臨床研究推進のための基盤作りに関する研究
課題番号
H19-こころ・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科 精神医学)
  • 渡辺 範雄(名古屋市立大学大学院医学研究科 精神医学)
  • 平安 良雄(横浜市立大学大学院医学研究科 精神医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
うつ病や統合失調症等の精神科疾患は国民の「こころの健康」を脅かす大きな問題となっている。また、その有病率は予想外に高く、効果的な対応により大きな利益を社会に与えることができる。そこで本研究では、精神科医療の質の向上を目指し、本領域における臨床研究推進のための基盤作りに関する研究を行うことを目的とした。
研究方法
わが国の精神科領域における臨床研究推進のための課題や今後予想される障害について検討した結果、うつ病についての研究ニーズが特に注目された。我が国においてもバーデンの大きなうつ病についての研究ニーズが特に注目された。また、「妊産婦のマタニティ・ブルーズとうつ病の発症頻度推定を目的とした質問紙法を用いた前向きコホート研究」「部分寛解うつ病患者の不眠に対する短期睡眠行動療法:評価者盲検無作為割り付け対照試験」をモデル研究として実施し、臨床研究実施に際しての課題と問題点を整理した。さらに、国際共同治験にわが国が参加するための実施基盤について、国内のみならず、中国、韓国の専門家らとともに検討した。
結果と考察
わが国の精神科領域における臨床研究推進のための課題や今後予想される障害について整理することが出来た。また、マタニティ・ブルーズは産後5日間に9-15%の女性に見られた。また、妊娠期から産後に渡って、実に27.2%の女性がうつ的な気分を経験していることが示された。さらに、「部分寛解うつ病患者の不眠に対する,短期睡眠行動療法 -評価者盲検無作為割り付け対照試」を開始し、症例を集積している。一方、国際共同試験、特にアジアン・スタディーを円滑に実施するための、制度、施設環境、支援体制、被験者の意識、医療者の意識等に関する課題や今後予想される障害について、国内のみならず、中国、韓国の専門家らとともに整理することが出来たは有意義であった。
結論
本研究の実施により、精神科領域における臨床研究体制の基盤整備(実施医療機関における体制、教育及び環境、データセンター整備、品質管理/品質保証等)についての重要な知見が集積されるものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
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