高次脳機能障害者に対する地域支援ネットワークの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200833007A
報告書区分
総括
研究課題名
高次脳機能障害者に対する地域支援ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H18-こころ・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 深津玲子(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 生駒一憲(北海道大学大学院医学研究科)
  • 森 悦朗(東北大学大学院医学系研究科)
  • 上小鶴正弘(埼玉県総合リハセンター)
  • 中村憲司(東京都心身障害者福祉センター)
  • 山田和雄(名古屋市大社会復帰医学)
  • 野村忠雄(富山県高志リハビリテーション病院)
  • 鈴木恒彦(大阪府立急性期・総合医療センター)
  • 永廣信治(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス)
  • 丸石正治(広島県立身体障害者リハセンター)
  • 蜂須賀研二(産業医科大学・リハ医学)
  • 太田令子(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 篠田 淳(木沢記念病院・独立行政法人自動車事故対策機構中部療護センター)
  • 太田喜久夫(三重県厚生連松阪中央総合病院)
  • 種村 純(川崎医療福祉大学・感覚矯正学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国は平成18年度から、障害者自立支援法に基く地域生活支援事業の一環として高次脳機能障害支援普及事業を開始した。本研究事業では、この支援普及事業と連動することにより、全都道府県に支援拠点機関を設置することを促進し、都道府県ごとに地域完結型の支援ネットワークの構築を図ることを目的とする。。さらに、連絡協議会の開催、研修事業を含む普及啓発活動を行う。さらに福岡県を対象に高次脳機能障害者の実数調査を実施したので、その分析をする。
研究方法
本研究事業の主任研究者と分担研究者は支援普及事業の運用上必要な事項の企画、とりまとめに参画することとする。本研究事業では、主任研究者と分担研究者は地方公共団体とも連携して全国を10に分けたブロックごとに会議を運営し、これを通じて支援体制を全都道府県に普及定着させることを目論む。また、福岡県を対象に高次脳機能障害者の実数調査をする。
結果と考察
支援拠点機関は平成21年3月の時点で41都道府県に54箇所設置された。これらの支援拠点機関はいずれも既存施設の利用および人材登用によって運営されているという特長がある。主任研究者と分担研究者はこれらの運用に当たり、指導ならびに助言をなした。福岡県を対象地域として、県内の高次脳機能障害者実数調査を開始した。その結果、福岡県(人口506万人)には、6歳から69歳の年齢層で、リハ支援により社会復帰を期待し得る障害程度の高次脳機能障害者が年間114人が新たに発生していた。この推計値から全国には高次脳機能障害者が68,048人いて、毎年2,884人発生すると推定された。
結論
高次脳機能障害支援ネットワークを41都道府県に構築することで、実際の運用に供されている。

公開日・更新日

公開日
2009-04-09
更新日
-

文献情報

文献番号
200833007B
報告書区分
総合
研究課題名
高次脳機能障害者に対する地域支援ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H18-こころ・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 深津玲子(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 生駒一憲(北海道大学大学院医学研究科)
  • 森 悦朗(東北大学大学院医学系研究科)
  • 上小鶴正弘(埼玉県総合リハセンター)
  • 中村憲司(東京都心身障害者福祉センター)
  • 山田和雄(名古屋市大社会復帰医学)
  • 野村忠雄(富山県高志リハビリテーション病院)
  • 鈴木恒彦(大阪府立急性期・総合医療センター)
  • 永廣信治(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス)
  • 丸石正治(広島県立身体障害者リハセンター)
  • 蜂須賀研二(産業医科大学・リハ医学)
  • 太田令子(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 篠田 淳(木沢記念病院・独立行政法人自動車事故対策機構中部療護センター)
  • 太田喜久夫(三重県厚生連松阪中央総合病院)
  • 種村 純(川崎医療福祉大学・感覚矯正学科)
  • 内海憲二(東京都心身障害者福祉センター)
  • 都築暢之(富山県高志リハビリテーション病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業では、高次脳機能障害支援普及事業と事業内容をすり合わせ、全都道府県に支援拠点機関を設置することを促進し、都道府県ごとに地域完結型の支援ネットワークの構築することを目的とする。主任研究者と分担研究者は地方公共団体と連携して全国を10に分けたブロックごとに会議を運営し、これを通じて支援体制を全都道府県に普及定着させることを目論む。
さらに、地域での連携協議会の開催、研修事業を含む普及啓発活動を行うとともに、各種プログラムについての事例の積み上げによる検証を行い、さらに有効性のあるものにするとともに、福岡県を対象に高次脳機能障害者の実数調査を実施する。これらは内閣の障害者施策推進本部の新5か年計画(平成20-24年度)の施策方針にも合致する内容とする。
研究方法
全国を10のブロックに区分し、ブロックごとに拠点となる支援拠点機関を定めた。ブロックごとにブロック会議を開催することにより、全都道府県に支援拠点機関を設置することを促進し、これを運用するためのノウハウを提供する。ブロック会議には地方自治体の行政担当者の参画を得て、都道府県ごとに支援ネットワークの構築に必要な社会資源等を調査し、運用への組み入れについて意見を集約する。全体会議として支援拠点機関等全国連絡協議会と共催となる全体会議を開催する。
実数長鎖など個人データを調査する際には下記の倫理面での配慮をなした。
結果と考察
 支援拠点機関は平成21年3月の時点で41都道府県に54設置された。これらの支援拠点機関はいずれも既存施設の利用および人材登用によって運営されているという特長がある。主任研究者と分担研究者はこれらの運用に当たり、指導ならびに助言をなした。その結果、都道府県ごとの地域支援ネットワークの構築が進み、高次脳機能障害者への支援が可能になりつつある。
 福岡県を対象地域として、県内の高次脳機能障害者実数調査を実施した。その結果、福岡県(人口506万人)には、6歳から69歳の年齢層で、リハ支援により社会復帰を期待し得る障害程度の高次脳機能障害者が年間114人新たに発生していた。この推計値から全国には高次脳機能障害者が  68,048人いて、毎年2,884人発生すると推定した
結論
 高次脳機能障害者への支援が制度として定着しつつある。同様な方法を他の障害者施策にも援用できる可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2009-04-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200833007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
地域における高次脳機能障害者支援ネットワークの構築が、既存の施設(機関)と人的資源を活用することにより可能であることを実証した。また、その形成過程がトップダウンではなくボトムアップに構築されていくことが明らかにされた。さらに高次脳機能障害者数について全国規模の推計値を算出した。
臨床的観点からの成果
医療機関における高次脳機能障害の診断が、後の福祉サービスの提供にとってキーポイントであることが示された。そのために必要な医療機関従事者への知識および技術の普及が図られた。
ガイドライン等の開発
審議会で審議されたガイドラインはないが、高次脳機能障害者の就労についてガイドラインを作成するためのデータ蓄積が実施された。
その他行政的観点からの成果
高次脳機能障害者数を全国規模で推定できる推計値を算出したことにより、今後の国レベルの行政に必要な人数が確定できた意義は大きい。本研究による地域支援ネットワークの構築が、高次脳機能障害に留まらず、障害者一般について支援ネットワーク構築モデルとなり得る点で意義がある。
その他のインパクト
朝日新聞など全国紙での報道が3件、地方新聞及びテレビ局では多数報道された。
公開シンポジウムは全国規模では3回、都道府県レベルでは多数開催された。

発表件数

原著論文(和文)
48件
原著論文(英文等)
22件
その他論文(和文)
33件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
141件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
高次脳機能障害支援普及事業
その他成果(普及・啓発活動)
1件
高次脳機能障害支援普及事業

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Takeuchi N, Ikoma K, Chuma T, et al
Measurement of transcallosal inhibition in traumatic brain injury by transcranial magnetic stimulation
Brain injury , 20 (9) , 991-996  (2006)
原著論文2
丸石正治,近藤啓太,上野弘貴
高次脳機能障害者の重症度と就労率
リハビリテーション医学 , 45 (2) , 113-119  (2008)
原著論文3
Katou N,Okazaki T,Hachisuka K
The relationship between frontal and temporal lobe lesions n traumatic brain injury and procedual memory.
Japanese J. Occupational Med. and Traumatology , 56 (4) , 146-151  (2008)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-