自殺対策のための戦略研究

文献情報

文献番号
200833001A
報告書区分
総括
研究課題名
自殺対策のための戦略研究
課題番号
H17-こころ・戦略-030
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人精神・神経科学振興財団(財団法人精神・神経科学振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 清久(財団法人 精神・神経科学振興財団)
  • 山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 稲垣 正俊(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 大野  裕(慶應義塾大学保健管理センター)
  • 大塚耕太郎(岩手医科大学)
  • 岩佐 博人(青森県立精神保健福祉センター)
  • 粟田 主一(仙台市立病院)
  • 中村  純(産業医科大学)
  • 本橋  豊(秋田大学)
  • 亀井 雄一(国立国際医療センター国府台病院)
  • 鈴木友理子(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 平安 良雄(横浜市立大学大学院)
  • 有賀  徹(昭和大学)
  • 河西 千秋(横浜市立大学)
  • 田中 克明(横浜市立大学付属市民総合医療センター)
  • 酒井 明夫(岩手医科大学)
  • 廣常 秀人(国立病院機構大阪医療センター)
  • 宮岡  等(北里大学)
  • 朝田  隆(筑波大学大学院)
  • 岸本 年史(奈良県立医科大学)
  • 大久保善朗(日本医科大学)
  • 人見 佳枝(近畿大学)
  • 堀川 直史(埼玉医科大学総合医療センター)
  • 岩熊 昭洋(国立病院機構水戸医療センター)
  • 穐吉條太郎(大分大学医学部附属病院)
  • 杉本 達哉(関西医科大学附属滝井病院)
  • 黒木 規臣(埼玉医科大学)
  • 三村  將(昭和大学病院)
  • 衞藤 暢明(福岡大学)
  • 岩田 仲生(藤田保健衛生大学)
  • 河野 元嗣(筑波メディカルセンター病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
206,216,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国では1998年に年間自殺者が前年度比130%以上という、他国に類のない激増をみている。さらに、これ以降自殺者数は毎年3万人を超えたまま高止まりの状況が続いており、我が国において自殺者数の減少に向けた対策が急務とされている。そのため、全国各地の先駆的な取り組みの経験を踏まえ、大規模多施設共同研究で効果的な支援方法に関するエビデンスを構築して今後の政策立案に役立てることが必要である。そこで、「こころの健康科学研究事業戦略研究課題」の成果目標と研究内容が策定され、平成17年度から実施されることになった。
研究方法
本研究では、地域社会資源を複合的に用いることにより、医療モデルの枠を超えた自殺防止介入を行う。「複合的自殺対策プログラムの自殺企図予防効果に関する地域介入研究(Nocomit-J)」研究班では、複数地域を対象とした非無作為化比較介入研究を行う。「自殺企図の再発防止に対する複合的ケース・マネージメントの効果:多施設共同による無作為化比較研究(Action-J)」研究班では、救命救急センターに搬送された自殺未遂者を対象とした無作為化比較介入試験を行う。戦略研究担当は、国立精神・神経センターによる平常的かつ専門的な支援を受けられる体制が整えられている。
結果と考察
平成17年度に組織された地域介入研究班と救急介入研究班の2つの研究班により2つの研究計画書を策定され、各研究課題「複合的自殺対策プログラムの自殺企図予防効果に関する地域介入研究(Nocomit-J)」および「自殺企図の再発防止に対する複合的ケース・マネージメントの効果:多施設共同による無作為化比較研究(Action-J)」を平成20年度も継続した。
結論
国民的ニーズが高く確実に解決を図ることが求められている研究課題について、成果目標を設定した大規模な「戦略研究」の必要性が指摘されてきた。そこで、厚生労働科学研究費補助金において、従来の一般公募による研究課題に加えて、研究の成果目標及び研究の方法を定め、選定された機関が実際に研究を行う者や研究に協力する施設等を一般公募する新たな「戦略研究」が平成17年度から創設された。本研究の推進により、自殺防止対策について質の高い実証的根拠を提案することにより、国民の福祉の向上に直接的に寄与できる研究成果を生み出すことが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-28
更新日
-