ユビキタス・インターネットを活用したアレルギー疾患の自己管理および生活環境改善支援システム、遠隔教育システム、患者登録・長期観察システムに関する研究

文献情報

文献番号
200832035A
報告書区分
総括
研究課題名
ユビキタス・インターネットを活用したアレルギー疾患の自己管理および生活環境改善支援システム、遠隔教育システム、患者登録・長期観察システムに関する研究
課題番号
H20-免疫・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
須甲 松信(東京芸術大学 保健管理センター)
研究分担者(所属機関)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属大学病院医療情報ネットワーク研究センター)
  • 中川 秀己(東京慈恵会医科大学)
  • 大矢 幸弘(国立成育医療センター 第一専門診療部)
  • 久保 千春(九州大学病院)
  • 松山 剛(東邦大学医療センター佐倉病院)
  • 山下 直美(武蔵野大学薬学部・薬学研究所)
  • 海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 岡田 千春(国立病院機構南岡山医療センター)
  • 岡本 美孝(千葉大学医学部)
  • 中村 陽一(横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター)
  • 灰田 美知子(半蔵門病院)
  • 森 晶夫(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 田中 裕士(札幌医科大学医学部)
  • 土肥 眞(東京大学医学部附属病院)
  • 永田 真(埼玉医科大学)
  • 山内 広平(岩手医科大学)
  • 谷口 正実(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 長谷川 眞紀(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 本島 新司(亀田総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日常生活の必需品となっているインターネットを活用して、アレルギー患者の効果的な自己管理・生活環境改善を促し、QOLの維持・向上を図る。
研究方法
1.アレルギー患者の治療アドヒアランスの実態調査を実施しその改善のための行動変容プログラムを作成し普及を推進する
2.自然語による分かり易いQ&Aインターネット検索法を開発する
3.Webおよび携帯ネットで使用するアレルギー電子日誌システムおよび助言メール機能を開発する
4.コメディカル向け啓発小冊子を作成し遠隔教育システムを開発する
5.地域の診療連携による患者登録・長期QOL観察システムを開発する
結果と考察
1.成人/小児喘息患者の2割が治療アドヒアランスの状態が悪かった(治療が遵守されていない)。アドヒアランス行動変容プログラムを作成し、少数の患者に適用したところアドヒアランスの改善が見られた。
2.自然語による質問と公的機関のホームページに存在するQ&A項目の間で同義語辞書を作り、最適なマッチングが出来る検索法を開発し、公開した(http://www.e-allergy.jp)
3.紙の日記に代わるWeb用アレルギー電子日誌ソフトを開発し、誰でもダウンロードして使用が可能となった(http:/www.e-allergy.jp)。企業開発済みの携帯による喘息および花粉症電子日誌ネットワークシステムを活用したところ、患者の症状、ピークフロー値、治療などの情報が医師とリアルタイムに共有でき、自己管理状況の改善と症状増悪の予防効果が得られ、紙の喘息日誌よりも有用であった。特に、毎日入力を促す確認メール機能が有効である。
4.薬剤師と栄養士のコメディカルにアレルギー情報に関するアンケート調査を実施し、欲しい情報をもとにインターネットによる遠隔教育番組を制作し、公開した(http://ael.moovii.jp)
5.UMINの臨床研究システム内に、各アレルギー疾患の患者登録とQOL状況を長期保存するプログラムを設置し、成人喘息患者400名のデータを初回入力した
(http://center.umin.ac.jp/islet/apeq)。
今後、これら5つの研究事業について実証試験を拡大実施し、システムの普及を図る予定である。
結論
自己管理新システムの研究は実証実験の準備が整い、次年度に向けて順調に進捗している。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-