文献情報
文献番号
202106007A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウイルス感染症の影響下における被災者の情報収集・支援システムの自治体における運用に向けた実証研究
課題番号
21CA2007
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 拓(大阪市立大学 大学院文学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 尾島 俊之(浜松医科大学 医学部 健康社会医学講座)
- 松川 杏寧(国立研究開発法人防災科学技術研究所 災害過程研究部門)
- 横山 泰昭(福知山公立大学 地域防災研究センター)
- 市川 学(芝浦工業大学 システム理工学部)
- 萩行 正嗣(株式会社ウェザーニューズ AIイノベーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,962,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
D-VICSについて、令和2年度厚生労働科学特別研究事業「新型コロナウイルス感染症の影響下における災害時の情報通信技術を活用した被災者の情報収集・支援システムの開発と実証に向けた研究」の検討課題を踏まえ、平時における標準的な訓練方法・システムや入力システムを開発し、それを地方自治体等の協力のもと住民を交えた実証実験にて検証し、被災者情報伝達システムの地方自治体における運用に向けた提言を行うことを目的とした。
研究方法
研究は平時から災害発生後までのフェーズにおけるD-VICSの運用の実証実験を行うことで、D-VICSの実効性の検討、課題の抽出を行うために、実証実験を3回実施した。実証実験は、すべてオンラインで実施し、自治体(福知山市、別府市、伊那市、鳥取県、鳥取県、熊本市)、地域包括支援センター、相談支援専門員、障碍者支援団体など現場で活動する様々なレベルの方に参加いただき検証を実施した。各研究分担者の成果は全体会議で進捗や検討状況を共有しながら研究を進めた。
結果と考察
平時と有事のD-VICS入力情報・運用方法の整理では、入力情報及び運用方法を検討しとりまとめた。D-VICSを利用した住民参加型の訓練プログラムの開発では、D2J(Digital Twin Japan)を用いた被災地需要シミュレーションプログラムを構築するとともに防災チャットボットとD-VICSの連携を検討しとりまとめた。防災チャットボットを活用した平時運用機能の開発では、被災者アセスメント調査票及び事前調査票、発災前・発災後の安否確認調査票の防災チャットボットを開発した。地方自治体における検証では、本研究で検討・開発したD-VICS運用方法について検証を実施し有効性が確認された。D-VICSは研究段階における有効性が確認でき、運用が期待される結果となった。運用に向けた課題及び提言として、平時の活用方法(個別避難計画の作成ツールとしての使用や孤立対策の糸口のツールとしての運用)、 D-VICSの普及方法や代行入力実施時の代行入力者毎の入力時の課題等の洗い出しと解決策の検討等をとりまとめた。
結論
D-VICSは、システム単体として見た場合、研究段階を脱したと考えられるため、上記課題や提言を反映させた運用が期待される。その際、①実証実験で明らかになった課題等を要件に反映させる、②実際の状況(平時~災害発生~支援)を想定した利用方法や、総合防災訓練における利用などを想定した、より細やかなマニュアルを作成する、③本システムの活用について、市町村等自治体では、事前入力と個別避難計画への活用、収集した情報の対応フロー、システムのオペレーターを含む要員確保など、地域の実情に応じた具体的な対応についてモデル事業などを活用しながら整理・検討していく、といったことが求められる。
公開日・更新日
公開日
2022-06-28
更新日
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