臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムの開発と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200832024A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムの開発と評価に関する研究
課題番号
H19-免疫・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
清水 準一(首都大学東京 健康福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 志自岐 康子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 勝野 とわ子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 習田 明裕(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 高田 早苗(神戸市看護大学 看護学部)
  • 内藤 明子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 石川 陽子(首都大学東京 健康福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、生体臓器移植等における心理・社会的問題や倫理的課題に対応し、移植医療にかかわる患者・ドナー・家族が良好な医療を享受できるよう調整を行う臨床移植コーディネーター看護師(Clinical Transplant Coordinator Nurse:以下CTCN)の養成課程の開発と評価方法の確立を目的としており、平成20年度は前年度に行った国内外の状況の調査を踏まえ、国内で必要とされる能力を有する臨床移植コーディネーターを担う看護職の養成カリキュラムと教育内容の検討を行うこととした。
研究方法
1)平成19年度の研究成果を踏まえ、どのような教育の体制と内容が望ましいのかといった方向性について研究代表者及び研究分担者で検討を行った。2)その方向性に基づいて、入手した資料・文献を基に養成教育カリキュラムとシラバスのたたき台を作成した。3)作成したカリキュラムとシラバスについて、移植医、移植コーディネーターを務める看護師、移植看護研究者計8名から修正に向けた意見や評価を得た。4)平成20年11月に日本看護協会が主催する臓器移植コーディネーター養成研修の参加者を対象に質問紙調査を行い内容の必要性や妥当性について回答を得た。
結果と考察
将来的には米国同様2年間の大学院修士課程で学ぶ専門看護師相当の教育が必要となると考えられたが、現状としては、最新かつ多様な専門知識を有し高度な実践能力を持ち、移植医療に関わる人々が最良の医療を享受できるよう調整する役割として、日本看護協会が実施している認定看護師の資格認定制度を活用し、6カ月程度の教育を行うこととした。専門家及び研修受講者からの意見を踏まえ、基準カリキュラムの構成や教育内容の検討や用語・表現の統一等を図り、最終的に共通科目7科目(105時間)、専門基礎科目5科目(120時間)、専門科目5科目(180時間)、演習科目2科目(45時間)、実習科目(180時間)の計630時間からなるカリキュラムおよび教育内容の具体的な内容を作成したシラバスの最終案を作成した。CTCN志望者の職務経験等を考慮した複数の養成・認定のあり方が望ましいが、認定看護師制度という既存の枠組みを活用することで教育内容の質や評価を担保しやすく、現状では最も効果的かつ効率的に養成を行う方法であると考えられる。
結論
臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムとして、日本看護協会の認定看護師養成課程に準じて行うのが適当と判断し、国内外の資料・文献を基に作成したカリキュラム等に臓器移植専門職及び関連研修参加者の意見を反映させ、最終的な基準カリキュラム及びシラバスを作成した。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

文献情報

文献番号
200832024B
報告書区分
総合
研究課題名
臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムの開発と評価に関する研究
課題番号
H19-免疫・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
清水 準一(首都大学東京 健康福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 志自岐 康子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 勝野 とわ子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 習田 明裕(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 高田 早苗(神戸市看護大学 看護学部)
  • 内藤 明子(首都大学東京 健康福祉学部)
  • 石川 陽子(首都大学東京 健康福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、昨今課題となっている生体臓器移植等における心理・社会的問題や倫理的課題に対応し、移植医療にかかわる患者・ドナー・家族が良好な医療を享受で きるよう調整を行う臨床移植コーディネーター看護師(Clinical Transplant Coordinator Nurse:以下CTCN)の養成課程の開発と評価方法の確立を目的とする。
研究方法
平成19年度は、国内外のCTCNの養成や資格認定の状況を把握するため、米国および国内の研修施設でのヒアリングを行い、また採用や配置の決定権を持つ全国の移植施設の看護部長等を対象に、配置の意向や要因に関する質問紙調査を実施した。平成20年度はこれらの成果を踏まえ、教育の方向性を検討し、専門家及び関連研修受講者の意見等を反映して研究者間で協議を重ね、最終的な教育カリキュラムとシラバスを作成した。
結果と考察
看護部長等を対象とした調査からは、配置の必要性は認知されているものの、十分な教育体制がないとった意見も示され、一元的で臨地実習を含む教育体制の整備と共に、志望者の職務経験や能力に応じた複数の教育・認定のあり方が望ましいと考えられた。CTCNに必要とされる能力の効果的な学習や教育の質の評価等の観点から、現状では認定看護師相当の養成課程が望ましいと考えられ、基準カリキュラムの作成を行い、教育内容の必要性や妥当性を確保するため臓器移植の専門家や関連研修の参加者からの意見も踏まえてカリキュラム及びシラバスの最終案を作成した。
今後は作成したカリキュラムを活用した養成教育の実施を行うと共に、CTCNの配置を容易にするような診療報酬面でのサポートや移植施設の集約化など環境の整備も必要である。
結論
臓器移植が抱える諸問題に対処する能力を有し、円滑な運営のため移植チーム間の調整的な役割を担う臨床移植コーディネーター看護師養成のため認定看護師相当の基準カリキュラムとシラバスの作成を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200832024C

成果

専門的・学術的観点からの成果
日本並びに米国の臨床移植コーディネーターの養成や資格認定のあり方を把握したうえで、必要とされるコア・コンピテンシーを明確にし、専門家等の意見を踏まえ修正を加え、日本看護協会の認定看護師養成課程に即した臨床移植コーディネーター認定看護師基準カリキュラムを作成した。
臨床的観点からの成果
生体臓器移植件数が多い日本において、複雑な立場に置かれやすい生体ドナーの権利擁護を担う職種の養成は移植医療への国民からの信頼を高める上でも重要である。また施設ごとの移植件数が少なく、児施設での養成が困難であることから、一元的に養成を行う教育課程の設立に資するカリキュラムの開発は有意義である。認知された既存のシステムを活用することから、実施コストが比較的少なく、移植コーディネーターの養成や認定方法の一つとして活用が期待される。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
現時点では特になし。
その他のインパクト
現時点では特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-