再生・移植医療の現状と将来に向けての国際比較

文献情報

文献番号
200832023A
報告書区分
総括
研究課題名
再生・移植医療の現状と将来に向けての国際比較
課題番号
H19-免疫・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田中 紘一(財団法人先端医療振興財団 先端医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 浅原 孝之(財団法人先端医療振興財団 先端医療センター)
  • 加藤 俊一(東海大学 医学部)
  • 小林 英司(自治医科大学 医学部)
  • 猪股 裕紀洋(熊本大学 大学院医学薬学研究部)
  • 阿曽沼 克弘(熊本大学 大学院医学薬学研究部)
  • 松山 晃文(財団法人先端医療振興財団 先端医療センター)
  • 遠藤 康浩(株式会社ポラリスRx)
  • 町野 朔(上智大学 法学研究科)
  • 奥村 康(順天堂大学 医学部)
  • 竹田 英樹(財団法人先端医療振興財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成20年度は、ドナーの拡大と倫理性について国際会議が開催され、国際移植学会の指針にそって各国の対応が変わる。このことを踏まえ、わが国の移植の適正な推進に資する。
 各国のデータを収集することによって、移植医療の国際比較と分析を行い、1)国民に情報開示して意識形成、2)法改正および運用、3)臓器移植推進の基盤整備および社会整備に役立てる。
 再生医療は各国における規制状況、審査体制、産学官の取組み、研究資金の調達方法、国民意識について調査、分析する。
研究方法
1.移植医療の国際比較
・国内外移植関連学会で、意見・情報交換、対象国の実態と問題点・課題を調べる。
・各国の法専門家に情報提供していてだく。
・Webで米国、欧州とわが国のデータベースを比較する。
・関係者にインタビューして活動状況を検討する。
・免疫寛容研究の現状・将来を調べる。

2.再生医療の国際比較
・わが国で実現する上での規制、審査体制、資金、企業との連携調査する。
・世界で実現している再生医療を調べる。
結果と考察
1.移植医療の国際比較
1)イスタンブール宣言をうけ、各国の政府と学会を中心に法的整備を強化している。
2)移植先進国は教育・啓蒙への取り組みと臓器提供病院にコーディネーターを配置して潜在ドナーの掘り出し、インセンティブの附与、opting out systemの臓器提供の法律が特徴であった。
3)生体ドナーへの保護は補償制度を導入する方向もあった。
4)免疫寛容研究と今後の研究成果を待たねばならない。

2.再生医療の国際比較
1)再生医療の特許審査は日米欧で大きく異なる。ハーモナイゼーションが必要である。
2)再生医療製品開発は、日本の臨床開発はプロジェクト数という観点では、著しく遅延していた。薬害ガイドラインにおいても、有効性に関する指針が発出されていないなど、他の主要国と比較して改善すべき点が認められた。
結論
臓器移植を推進するために各国の法整備、行政の取り組み、社会への啓蒙、倫理的規制は今後必須となる。わが国の近隣諸国のアジア各国、さらには移植先進国も移植環境が変化し、わが国の臓器移植医療に影響する。再生医療は、今後さらに加速され企業の関与も増加するが、国際共同治験が可能になるようなハーモナイゼーションと審査基準が整備されねばならない。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
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