アレルギーのテーラーメイド治療管理ガイドラインの確立と実用化

文献情報

文献番号
200832018A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギーのテーラーメイド治療管理ガイドラインの確立と実用化
課題番号
H19-免疫・一般-007
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直実(岐阜大学大学院医学系研究科 小児病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 大田 健(帝京大学医学部内科学)
  • 赤澤 晃(国立生育医療センター総合診療部)
  • 山口 悦郎(愛知医科大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科)
  • 松井 永子(岐阜大学医学部附属病院小児科)
  • 森川 昭廣(希望の家療育病院附属北関東アレルギー研究所)
  • 海老澤 元宏(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 藤澤 隆夫(独立行政法人国立病院機構三重病院臨床研究部)
  • 河野 陽一(千葉大学大学院医学研究院小児病態学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の増加が大きな社会問題になっている。
従ってこれらに対する適確な対策の確立が急務である。そこで、本研究の目的は、アレルギー専門
医はもちろんのこと一般医家、実地医家において十分実用化可能で社会貢献できる「アレルギーの
テーラーメイド治療管理ガイドライン(主に気管支喘息、食物アレルギー)」を確立し発行するこ
とである。

研究方法
(1)遺伝要因(リスク)の質と量の評価法の確立を行った。
(2)治療反応性予測因子、用量、副作用発現予測因子、中止可能因子等の解明を行った。
(3)QOL評価のための、日常診療で使用しやすいQOL調査票簡易改訂版を作成した。
結果と考察
(1)アレルギーの病因・病態解析をもとにして、さらに遺伝子相互間作用と遺伝子・環境相互作
用の検討も含めて新たにアレルギー(アトピー)の遺伝子学的分類が確立され、さらに個々の異常
部位を系統的に診断あるいは予測できる遺伝子診断キットが確立できた。

(2)画期的成果が幾つも得られ、特に既存の薬剤の適格な使用方法(中止時期決定因子の解明を
含む)が明らかにされてきたので、その病因・病態に合致したテーラーメイド治療管理法の基礎が
確立できた。

(3)テーラーメイド治療管理の目標であるQOLの向上を評価するための評価票について、日常診
療で極めて使用し易い簡易版を十分な統計的な検討を行った上で完成した。

(4)近い将来、適確な診断・治療法の確立により医療効果が上昇し、患者の治癒軽快率の向上、
QOLの向上、医療費の節減にもとづいて社会問題の解決が図れる。

(5)テーラーメイド治療のための創薬がタンパク解析により可能であることが示された。
結論
本研究の成果をもとにして、以下の点を中心に今後、次の研究を推進する。
(1) アレルギーのさらなる病因・病態の解析を基盤に、新たな病因の発見と、網羅的かつより系統的な診断・治療予防範囲の拡大と確立をさらに進める。

(2) アレルギー専門医はもちろんのこと一般医家、実地医家において十分実用可能で社会貢献できる「アレルギーのテーラーメイド治療管理ガイドライン(主に気管支喘息、食物アレルギー)」を確立し発行する。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-