ICTを利用した医学教育コンテンツの開発と活用に向けた研究

文献情報

文献番号
202103012A
報告書区分
総括
研究課題名
ICTを利用した医学教育コンテンツの開発と活用に向けた研究
課題番号
21AC1003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
河北 博文(公益財団法人 日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 伴 信太郎(愛知医科大学 医学教育センター)
  • 岡崎 仁昭(自治医科大学 医学教育センター)
  • 松山 泰(自治医科大学 医学部 医学教育センター)
  • 淺田 義和(自治医科大学 医学教育センター)
  • 川平 洋(自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
10,265,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、動画や画像、音声ファイルを取り入れた標準化された質の高い医学教育コンテンツを作成して、医学生から臨床医までが広く利用できる体制を整備すること、および将来のCBT医師国家試験の実施に向けて、CBT化された試験問題を作成し、実際にトライアル試験を行い、課題およびその対応策などについて研究して、実施に関して提案することを目的とする。
研究方法
先行研究で作成したシナリオ作成の留意点をもとに、新たに「コンテンツ作成マニュアル」を取りまとめるとともに、この手順に基づいてモデル・コア・カリキュラムの症例のうち黄疸、腹痛等の12症例の視聴覚素材とそれぞれを取り入れたモデル教材とをコンテンツとして作成した。また、現行の国家試験の出題範囲に基づき、動画や画像、音声ファイルなどを取り入れた問題を半数ほど織り交ぜ、全200問の問題を作成し、インターネットを介したCBT試験システムにより、各受験者が複数の会場からアクセス可能にする形式にて、トライアル試験を全国の10大学の協力のもと概ね円滑に実施した。
結果と考察
医学教育コンテンツ作成に関しては、分担研究者、研究協力者が分担してモデル教材を作成し、10回にわたる月例のオンライン会議を通じて検証と改善を行った。 12症例のコンテンツを作成するとともに、コンテンツ作成マニュアルも完成させた。さらに2症例の教材は、オープンソースのLearninng Management SystemであるMoodleで利用可能な形式に加工した。また、医師国家試験CBT化に関しては、CBT運用システムについて十分な検討を行い、オープンソースのシステムである、TAOを利用することとし、画像、音声、動画などマルチメディア形式を取り入れた試験問題を織り交ぜ、トライアル試験問題として200問作成して、TAOに投入した。インターネットを介して全国の医学部10大学、医学生321名に対しトライアル試験を実施した。システムトラブルもなく、動画などスムーズに再生できた。
結論
コンテンツ作成を統一的に取り組みために、コンテンツ作成マニュアルを取りまとめて、この手順に基づいて黄疸、腹痛等の12症例の医学教育コンテンツを作成した。それらをMoodleにて教材を作成して広く利用できるように公開の方法についても検討するとともに、3年間で50症例のコンテンツ作成を目指す。
 また、CBT医師国家試験の実施に向けて、トライアル試験を実際に実施し、本年度は将来CBT医師国家試験を実施する可能性を示すことができた。CBT試験システムの運用や、試験実施方法等について研究するとともに、今後の大規模トライアル試験を行うために、CBTの問題を作成しプール問題とするとともに、IRTなどの算出を行うなど、試験問題の管理についても研究する。

公開日・更新日

公開日
2022-06-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-06-06
更新日
2022-06-13

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202103012Z