文献情報
文献番号
202103003A
報告書区分
総括
研究課題名
PRO-CTCAEの日本語版の実臨床および臨床試験における有効性の評価
課題番号
20AC1002
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
研究分担者(所属機関)
- 下妻 晃二郎(学校法人立命館 立命館大学 生命科学部)
- 中島 貴子(京都大学 医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT))
- 清水 千佳子(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター がん総合診療センター / 乳腺・腫瘍内科)
- 渡邊 知映(昭和大学 保健医療学部)
- 矢嶋 宣幸(昭和大学 医学部内科学講座リウマチ膠原病内科学部門)
- 佐野 元彦(星薬科大学 実務教育研究部門)
- 東 加奈子(東京医科大学 薬剤部)
- 関根 祐介(東京医科大学病院 薬剤部)
- 長沼 未加(クオール株式会社 クオールアカデミー・教育研修部)
- 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
- 宮路 天平(東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
14,916,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
PRO-CTCAE日本語版の実臨床及び臨床試験・臨床研究における有効性評価と利用推進を目的とする。
研究方法
各研究計画書の倫理委員会承認後にEDC/ePROシステムを構築し研究を実施する。
結果と考察
①がんの日常診療におけるePROによる症状モニタリングの有用性の評価および、有害事象とQoLの実態調査に関するレジストリ研究
電子カルテと連動したePROプラットフォームを用いたがん患者レジストリ構築の研究は、患者市民参画を実施し研究計画書の倫理委員会承認後に通常診療コホート(紙製の患者日誌)、ePRO診療コホートにおいて症例登録を開始した。年度末でそれぞれ143、18例が登録された。
②免疫チェックポイント阻害薬を投与しているがん患者におけるePROを用いた症状関連有害事象に関するレジストリ研究
外来化学療法室で免疫チェックポイント阻害薬を投与している患者レジストリの計画を策定、患者市民参画を実施した。本研究はePROによる有害事象評価のみならず、患者が入力したePROを医療者がどのように活用するかもデータを取得する。中央一括審査を活用し、12月に患者の組み入れを開始し年度末で19例が登録された。
③補助化学療法後の乳がん患者を対象とした電子的患者報告アウトカムによる遷延性症状関連有害事象に関する観察研究
術前・術後補助化学療法を終了する乳がん患者に対し毎月ePROによる有害事象情報を収集する患者レジストリの計画を策定、患者市民参画を実施した。研究計画書の倫理委員会承認の施設から順次患者登録を開始している。10月から開始し、年度末で63例が登録された。
④クオール薬局におけるPRO-CTCAEを用いた外来がん患者継続的薬学管理の有用性研究:多施設共同研究
外来がん薬物治療患者に対する薬局薬剤師の継続的薬学的管理において、電子化されたPRO-CTCAEの有用性を調査するための研究計画書を策定した。12月の研究計画書の倫理委員会承認後、患者登録を開始、年度末で38例が登録された。
⑤全身性エリテマトーデス(SLE):Lupus registry of nationwide institutions: LUNA
非がん患者SLEを対象としたPRO-CTCAEの有用性の検討について、倫理委員会承認後に症例登録を開始し順調に登録が進んでいる。年度末で120例が登録された。
⑥HIV領域:抗レトロウイルス療法開始後のHIV感染症患者における患者報告による症状関連有害事象に関する研究
抗HIV 療法の有害事象管理に PRO-CTCAEを導入し、症状関連有害事象を明らかにする研究について、倫理委員会承認後、対象者の登録を開始した。COVID-19によるスクリーニング数減少の影響があり新規発症者数が減少しており、症例登録がやや遅れているが、年度末で64例が登録された。
⑦その他
有害事象評価にPRO-CTCAEを含めた「進行再発がん患者におけるオピオイド鎮痛薬導入前後の心理的障壁と疼痛:多施設共同研究」については、登録が終了した。また、薬局のセッティングでePROを活用する「経口抗がん薬開始後の消化器がん患者を対象としたePROによる症状関連有害事象のフォローアップに関する研究:観察研究」も研究計画書の倫理委員会承認後に12月から登録を開始した。PRO-CTCAE小児版は、National Cancer Instituteの体制構築のため、2022年度の中期からの開始を予定とし調整が進んでいる。
患者、一般国民への(e)PROの啓発・普及および(e)PRO臨床研究への理解を深め参加を円滑化するための(e)PROビデオコンテンツを作成した。
電子カルテと連動したePROプラットフォームを用いたがん患者レジストリ構築の研究は、患者市民参画を実施し研究計画書の倫理委員会承認後に通常診療コホート(紙製の患者日誌)、ePRO診療コホートにおいて症例登録を開始した。年度末でそれぞれ143、18例が登録された。
②免疫チェックポイント阻害薬を投与しているがん患者におけるePROを用いた症状関連有害事象に関するレジストリ研究
外来化学療法室で免疫チェックポイント阻害薬を投与している患者レジストリの計画を策定、患者市民参画を実施した。本研究はePROによる有害事象評価のみならず、患者が入力したePROを医療者がどのように活用するかもデータを取得する。中央一括審査を活用し、12月に患者の組み入れを開始し年度末で19例が登録された。
③補助化学療法後の乳がん患者を対象とした電子的患者報告アウトカムによる遷延性症状関連有害事象に関する観察研究
術前・術後補助化学療法を終了する乳がん患者に対し毎月ePROによる有害事象情報を収集する患者レジストリの計画を策定、患者市民参画を実施した。研究計画書の倫理委員会承認の施設から順次患者登録を開始している。10月から開始し、年度末で63例が登録された。
④クオール薬局におけるPRO-CTCAEを用いた外来がん患者継続的薬学管理の有用性研究:多施設共同研究
外来がん薬物治療患者に対する薬局薬剤師の継続的薬学的管理において、電子化されたPRO-CTCAEの有用性を調査するための研究計画書を策定した。12月の研究計画書の倫理委員会承認後、患者登録を開始、年度末で38例が登録された。
⑤全身性エリテマトーデス(SLE):Lupus registry of nationwide institutions: LUNA
非がん患者SLEを対象としたPRO-CTCAEの有用性の検討について、倫理委員会承認後に症例登録を開始し順調に登録が進んでいる。年度末で120例が登録された。
⑥HIV領域:抗レトロウイルス療法開始後のHIV感染症患者における患者報告による症状関連有害事象に関する研究
抗HIV 療法の有害事象管理に PRO-CTCAEを導入し、症状関連有害事象を明らかにする研究について、倫理委員会承認後、対象者の登録を開始した。COVID-19によるスクリーニング数減少の影響があり新規発症者数が減少しており、症例登録がやや遅れているが、年度末で64例が登録された。
⑦その他
有害事象評価にPRO-CTCAEを含めた「進行再発がん患者におけるオピオイド鎮痛薬導入前後の心理的障壁と疼痛:多施設共同研究」については、登録が終了した。また、薬局のセッティングでePROを活用する「経口抗がん薬開始後の消化器がん患者を対象としたePROによる症状関連有害事象のフォローアップに関する研究:観察研究」も研究計画書の倫理委員会承認後に12月から登録を開始した。PRO-CTCAE小児版は、National Cancer Instituteの体制構築のため、2022年度の中期からの開始を予定とし調整が進んでいる。
患者、一般国民への(e)PROの啓発・普及および(e)PRO臨床研究への理解を深め参加を円滑化するための(e)PROビデオコンテンツを作成した。
結論
がん4研究、非がん2研究を中心に様々なセッティングにおけるPRO-CTCAEの活用を試みる臨床研究を実施した。
公開日・更新日
公開日
2022-06-21
更新日
-