関節リウマチの治療法選択と治療反応性の実態把握の為の定点観測体制の構築

文献情報

文献番号
200832008A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチの治療法選択と治療反応性の実態把握の為の定点観測体制の構築
課題番号
H18-免疫・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一彦(東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学)
  • 山中 寿(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 石黒 直樹(名古屋大学大学院運動・形態外科学講座)
  • 竹内 勤(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 當間 重人(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターリウマチ性疾患研究部)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学分野)
  • 萩野 昇  (東京大学大学院医学系研究科アレルギーリウマチ学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦の関節リウマチ(RA)治療は、生物学的製剤導入により大きく変貌を遂げつつある。しかし、これらの治療薬の導入による我が国のRAの全体像は、RA診療症例数の多い幾つかの施設が独自のデータベースを有しているものの、全国規模のRA疫学データが存在しないことから、把握することが難しいのが実情である。したがって、本邦における「RA治療の現状」を示す疫学データの収集は急務であると考えられ、本研究ではこれを実施することを目的とした。
研究方法
質問紙法によるCross-sectional studyを選択した。今回の研究においてはLongitudinalな追跡を行わない代わりに、十分な症例数を全国施設において調査することによって、MassとしてのRA診療の移り変わりを観測することを重視した。調査の規模は出来る限り各県最低1施設は入れることを目標とし、1施設200名のデータが出せるRA診療を専門としている施設を全国から選択した。全体で10,000症例を超える規模のCross-sectional studyを目指した。収集したデータは母データへの遡行性を担保しないことによって個人情報の保護に努めた。
結果と考察
10,427件の有効回答が得られた。平均年齢 60.2(±13.1)歳、男性:女性=19.6:80.4、平均罹病期間11.5(±5)年であった。体重は60kg未満の患者が78.2%を占め、80kg以上の患者は1.5%であった。リウマトイド因子(RF)陽性 78.1%、抗CCP抗体陽性 85.6%であった。メトトレキサート(MTX)は56%、平均投与量は7±2mg/週であった。副腎皮質ホルモン(PSL)は63%で使用され、平均投与量は5±3mg/日だった。本年度はこれらの結果について、疾患活動性・治療に関与する諸因子についての解析を行ない、その中間結果を公表した。
結論
本邦RAの疫学について基礎的データが得られた。同様の研究を期間をおいて再調査を行うことによってRA疫学の推移を追うことが重要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

文献情報

文献番号
200832008B
報告書区分
総合
研究課題名
関節リウマチの治療法選択と治療反応性の実態把握の為の定点観測体制の構築
課題番号
H18-免疫・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一彦(東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学)
  • 山中 寿(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 石黒 直樹(名古屋大学大学院運動・形態外科学講座)
  • 竹内 勤(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 當間 重人(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターリウマチ性疾患研究部)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学分野)
  • 萩野 昇(東京大学大学院医学系研究科アレリギーリウマチ学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦の関節リウマチ(RA)治療は、生物学的製剤導入により大きく変貌を遂げつつある。しかし、これらの治療薬の導入による我が国のRAの全体像は、RA診療症例数の多い幾つかの施設が独自のデータベースを有しているものの、全国規模のRA疫学データが存在しないことから、把握することが難しいのが実情である。したがって、本邦における「RA治療の現状」を示す疫学データの収集は急務であると考えられ、本研究ではこれを実施することを目的とした。
研究方法
質問紙法によるCross-sectional studyを選択した。今回の研究においてはLongitudinalな追跡を行わない代わりに、十分な症例数を全国施設において調査することによって、MassとしてのRA診療の移り変わりを観測することを重視した。調査の規模は出来る限り各県最低1施設は入れることを目標とし、1施設200名のデータが出せるRA診療を専門としている施設を全国から選択した。全体で10,000症例を超える規模のCross-sectional studyを目指した。収集したデータは母データへの遡行性を担保しないことによって個人情報の保護に努めた。
今回の初回研究から数年の間隔を空けて同様の調査を施行することによって、RA診療の経時的移り変わりを観測することを目標としている。
結果と考察
10,427件の有効回答が得られた。平均年齢 60.2歳、男性:女性=19.6:80.4、平均罹病期間11.5年であった。体重は60kg未満の患者が78.2%を占め、80kg以上の患者は1.5%であった。リウマトイド因子陽性 78.1%、抗CCP抗体陽性 85.6%であった。メトトレキサートの使用は56%、平均投与量は7±2mg/週であった。副腎皮質ホルモンは63%で使用され、平均投与量はプレドニソロン5±3mg/日だった。今後疾患活動性・治療に関与する諸因子について更なる解析を行なう予定である。
結論
本邦RAの疫学について基礎的データが得られた。近年、新規RA治療薬が矢継ぎ早に上市されており、期間をおいて再調査を行うことによってRA疫学の推移を追うことが重要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200832008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本邦の関節リウマチ(RA)治療は生物学的製剤導入により大きく変貌を遂げつつある。しかし、これらの治療薬の導入による我が国のRAの全体像は、全国規模のRA疫学データが存在しないことから、把握することが難しいのが実情である。そこで、本研究では質問紙法による定点観測を行った。1施設200名のデータが出せるRA診療を専門としている施設を全国から選択、10,427件の有効回答が得られた。本邦RAの疫学について基礎的データが得られた。
臨床的観点からの成果
本邦のRA患者の疾患活動性の程度、個々の症例での疾患活動性に応じた治療の選択、RA治療のアンカードラッグとして重要な地位を占めるメトトレキサートの実地診療における使用状況などの基礎的データが得られた。これらを用いて、今後疾患活動性・治療に関与する諸因子について更なる解析を行なうことが可能となった。近年、新規RA治療薬が承認されており、期間をおいて再調査を行うことによってRAに関する疫学の推移を追うことが可能となる。
ガイドライン等の開発
ガイドライン等の開発は行っていない。
その他行政的観点からの成果
RAの治療に関して、種々の生物学的製剤が導入されつつある。抗リウマチ薬で十分なコントロールが望めない症例に対して生物学的製剤を開始することにより、関節予後を大幅に改善することが期待されている。しかし、これらの治療法を導入することが我が国のRA治療全体にどのようなインパクトがもたらされるかの把握は難しい。本定点観測を複数回施行することで、これらが把握でき、施策決定の基礎になると考える。
その他のインパクト
現在の時点でない。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
59件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
200件
推定
学会発表(国際学会等)
20件
推定
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Suzuki A,Yamada R, Kochi Y,et al.
Functional SNPs in CD244 gene increase the risk of rheumatoid arthritis in a Japanese population
Nat Genet , 40 , 1224-1229  (2008)
原著論文2
Yamamoto K, Yamada R.
Lessons from a Genomewide Association Study of Rheumatoid Arthritis.
N.Engl.J.Med. , 357 , 1250-1251  (2007)

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-