文献情報
文献番号
202102006A
報告書区分
総括
研究課題名
地域包括ケアシステムにおいて活用可能な国際生活機能分類(ICF)による多領域にまたがる評価手法の確立に資する研究
課題番号
20AB1003
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
向野 雅彦(藤田医科大学 医学部リハビリテーション医学I講座)
研究分担者(所属機関)
- 筒井 孝子(兵庫県立大学 経営研究科)
- 小松 雅代(大阪大学 大学院医学系研究科 社会医学講座環境医学)
- 德永 亜希雄(橫浜国立大学 教育学部)
- 高橋 秀人(国立保健医療科学院 統括研究官)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、地域包括ケアシステムにおいて活用可能な国際生活機能分類(ICF)による多領域にまたがる評価手法の確立に向けた基礎資料を提示することである。具体的には、1)多領域におけるICFを活用したデータの収集・分析に基づく活用例の提示、2)既存情報を活用したICFの評価法の開発、2点に取り組んだ。
研究方法
ICD-11V章についてのアンケート調査を実施し、医療・福祉連携における活用モデルを検討した。また、既存の評価スケールとICFの項目対応表および点数換算表を作成した。項目対応のリコードの妥当性検証と点数化に向けたルール作成に取り組んだ。一方で、世界保健機関(WHO)が作成した生活機能評価スケールWHO-DAS2.0を用いた内閣府の調査データを用い、「健康から外れるもの」を定義するカットオフ値の検討、障害福祉事業所におけるフィールドテストをそれぞれ実施した。教育分野においては、ICFを活用した共通情報シート開発のための質問紙調査を行った。
結果と考察
ICD-11V章のアンケート結果に基づき、共通評価セット、最小評価セット、基本評価セット、拡大評価セットの4つの評価セットの素案を作成され、Rasch分析により妥当性が確認された。
「障害のある者」「健康から外れる者」のWHODAS2.0による最適閾値の推定では、両者ともに12.5点が最適閾値として示された。障害福祉事業所におけるWHO-DAS2.0のフィールドテストでは、生活介護群の得点が就労支援B型群よりも全ての領域で有意に高い結果が得られた。特に「日常活動(家庭活動)」と「日常活動(仕事または学校の活動)」の得点との関連性が高かった。
教育分野の調査では、ICFの項目「ディスカッション」「基本的な経済的取引き」などが普段の教育・保育やサービスの接続においてあまり意識されていないことが明らかになった。
2) 既存の評価スケール(Barthel Index、IADL尺度等)とICFの項目対応表および点数換算表を作成した。項目対応のリコードでは評価者間の一致度にばらつきがみられ、評価の難しい項目が明らかになった。点数換算については、専門職へのアンケートをベースとした手法を提案した。
「障害のある者」「健康から外れる者」のWHODAS2.0による最適閾値の推定では、両者ともに12.5点が最適閾値として示された。障害福祉事業所におけるWHO-DAS2.0のフィールドテストでは、生活介護群の得点が就労支援B型群よりも全ての領域で有意に高い結果が得られた。特に「日常活動(家庭活動)」と「日常活動(仕事または学校の活動)」の得点との関連性が高かった。
教育分野の調査では、ICFの項目「ディスカッション」「基本的な経済的取引き」などが普段の教育・保育やサービスの接続においてあまり意識されていないことが明らかになった。
2) 既存の評価スケール(Barthel Index、IADL尺度等)とICFの項目対応表および点数換算表を作成した。項目対応のリコードでは評価者間の一致度にばらつきがみられ、評価の難しい項目が明らかになった。点数換算については、専門職へのアンケートをベースとした手法を提案した。
結論
本研究では、多領域におけるICFおよびICD-11V章の活用モデルについて検討が行われた。これらは実地において生活機能情報を統一的な枠組みの中で評価、活用するための基礎となりうる。これらの結果に基づき、ICFを実地で使用するための具体的な活用例を提示することが望まれる。
公開日・更新日
公開日
2024-10-24
更新日
-