保健・医療関連行為に関する国際分類の我が国への適用のための研究

文献情報

文献番号
202102001A
報告書区分
総括
研究課題名
保健・医療関連行為に関する国際分類の我が国への適用のための研究
課題番号
19AB1001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
  • 波多野 賢二(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカル・センター 情報管理解析部 データマネジメント室)
  • 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター)
  • 小川 俊夫(学校法人摂南大学 農学部食品栄養学科)
  • 斉藤 宗則(鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 鍼灸サイエンス学科)
  • 阿部 幸喜(独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院 整形外科)
  • 荒井 康夫(北里大学 大学病院 医療情報管理室 診療情報管理課)
  • 横堀 由喜子(一般社団法人日本病院会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、保健・医療関連行為に関する国際分類(International Classification of Health Interventions:ICHI)の開発及び我が国への活用・普及を検討することである。
WHO国際分類ファミリー(WHO-FIC)は、その中心分類として、ICD、ICF、ICHIの3つを設けている。ICHIは健康と福祉に関する情報、および個人や集団に提供される医療行為に関する幅広い情報をコーディングすることで、標準化された共通言語として提供しており、近年中の世界保健総会(WHA)での承認を目指している。
研究方法
1)ICHIの動向
ICHIの今年度の動向についてWHO-FIC年次会議・中間会議、ICHI会議の活動、および今後について記述する。
2)ICHIの我が国への活用方法
ICHIの教育、普及のための方法を検討する。
結果と考察
2021年5月3日にICHI会議、5月4日~5日にWHO-FIC中間会議のFamily Development Committee, FDCがWEB形式で開催され、出席した。また10月18日~22日にWHO-FIC年次会議も開催され、日本からは厚生労働省会議室からの参加となった。FDC、Education and Implementation Committee, EIC、Traditional Medicine Reference Group, TMRGに本研究代表者、分担者が出席し、ICHI Final版の完成に向けて改訂された生活機能や公衆衛生関連最新の情報を収集するとともに、我が国の知見を踏まえた意見提出を行った。
提供するコンテンツの調整については、3つの中心分類間で共有されるWHO-FIC Foundationの改良がなされ、令和3年度にICHIを検索できるブラウザが「ICHI Platform」から「ICHI online」に移行された。「ICHIテキスト2021」には、①ICHIの基本概念およびその構造、②事例紹介の2部形式で構成され、計136例の事例紹介を掲載している。この事例紹介を「ICHI online」での検索に修正するため、再度執筆者に改訂を依頼し「ICHIテキスト2022」を作成した。
我が国でのICHI活用にむけて、11月20日に高松、12月4日に札幌で、「ICHIテキスト2021」を用いて、地域ICHI研修会を開催した。サンメッセ香川(高松)で開催した四国研修会では、指導者として研究代表者の川瀬と研究分担者の阿部、横堀に加えて宮内文久氏、山元大介氏が担当し、24名が参加した。また札幌ビジネススペースで開催した北海道研修会では、指導者として川瀬、横堀に加えて瀬尾善宣氏、高橋文氏、大井晃治氏が担当し、41名が参加した。どちらの研修会もパソコン、タブレッと、スマホを用いての「ICHI online」検索方法を中心に指導した。各地域での指導者はICHIテキスト執筆者等であり、ICHIをこれまで触れる機会が多かった方である。この方々とは事前にWEBを用いて、どのinterventionを研修会で用いるかやICHI onlineでの具体的な検索法等について確認することができた。
結論
現時点でICHIは開発途中であり、現在生活機能や公衆衛生領域については関係者の努力で改善されており、近年中にWHAでの承認が期待される。承認後のICHIの我が国への活用については、まずは多くの医師・医療事務の方にICHIを理解していただくことである。そのために教育・普及のための教材の基本となる「ICHIテキスト」の修正やICHI地域研修会の開催を継続するとともに、さらなる ICHI 指導者の養成を行っていく。さらにその後、日本語への翻訳などと並行して、ICHI の国内利用ついての具体的方法を立案し、厚生労働省に提案したいと考えている。

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202102001B
報告書区分
総合
研究課題名
保健・医療関連行為に関する国際分類の我が国への適用のための研究
課題番号
19AB1001
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
  • 波多野 賢二(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカル・センター 情報管理解析部 データマネジメント室)
  • 高橋 長裕(千葉市立青葉病院)
  • 小川 俊夫(学校法人摂南大学 農学部食品栄養学科)
  • 斉藤 宗則(鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部)
  • 阿部 幸喜(独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院 整形外科)
  • 荒井 康夫(北里大学 大学病院 医療情報管理室 診療情報管理課)
  • 横堀 由喜子(一般社団法人日本病院会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健・医療関連行為に関する国際分類(International Classification of Health Interventions:ICHI)は、健康と福祉に関する情報、および個人や集団に提供される医療行為に関する情報をコーディングすることで、標準化された共通言語として提供しており、WHO国際分類ファミリー(WHO-FIC)の3つの中心分類(ICD、ICF、ICHI)の1つである。近年中の世界保健総会(WHA)での承認を目指している。本研究の目的は、ICHIの開発及び我が国への活用・普及を検討することである。
研究方法
ICHIの動向についてWHO-FIC年次会議・中間会議、ICHI会議の活動、および今後について記述する。
ICHIの教育、普及のための方法を検討する。
結果と考察
WHO-FICの年次会議、中間会議、ICHI Task Force会議(ICHI会議)に出席し、最新の情報を収集するとともに、これまでに我が国の知見やフィールドテスト結果を踏まえた意見提出を行っている。
令和元年7月に、WHOからフィールドテストの依頼があり、本研究代表者がField Trial Centre: Japanese WHO FIC CCのfield trial coordinatorとなり準備をすすめた。我が国から140名がICHI-FiTの評価者として参画した。ICHI-FiTの我が国での正解率は、全体では15,624例/29,426例(56.7%)であった。スタディ・モジュール別ではPublic Health interventionsいわゆる公衆衛生関連が25.5%と最も低かった。またStem Codeだけの正解率は67.1%と10.4%も上昇した。特にExtension Codesを付記する問題の多いMedical-surgical interventionでは59.0%から77.0%と20%近くも上昇した。この結果を令和2年10月に行われたWHO-FIC年次会議に「ICHI Beta-2 2019版フィールドテストにおける日本でのコーディング上の問題点の分析」という演題名で報告した。その内容は医療現場のエンドユーザーである診療情報管理士が現時点でどの程度正しくICHIをコーディングできたかを検討した。我が国でICHIを普及させるにあたり、公衆衛生関連の医療行為に対して正しいコーディングが選択できるよう、またExtension Codesを付記しなければならない保険医療行為に対して正しいExtension Codesを選択できるよう、ICHIの教育システムを構築し、準備を進めていくと報告した。
ICHIの我が国への活用・普及については、新しい国際統計分類であることより、医療現場への継続的な教育・普及が必要である。令和2年度はICHIを初めて扱う医師や医療事務でも理解できるよう「ICHIテキスト2021」を作成した。その内容は①ICHIの基本概念およびその構造、②事例紹介の2部形式で構成され、計136例の事例紹介を掲載している。ICHIは臨床現場や研究など様々な場面での使用も想定し、多様な介入を表現できるよう体系化されている。このためコード検索には「ICHI Platform」が提供されてきた。WHO-FICとしてはICD、ICFとの共有化を考えており、令和3年には「ICHI online」に変更された。またICHI Final版の完成に向け、生活機能や公衆衛生関連のレビュー、改善が頻繁に行われており、ICHI暫定版は毎年修正されているため。「ICHIテキスト2021」内に掲載しているICHI コードの事例紹介の改訂が必要となり、再度執筆者に原稿修正を依頼し、令和3年度には改訂版である「ICHIテキスト2022」を完成させた。
これまで診療方法管理学会等で、ICHIに関する教育講演等を行ってきたが、令和3年度は「ICHIテキスト2021」を用いて、2か所で地域ICHI研修会を開催した。各地域での指導者はICHIテキスト執筆者等であり、ICHIをこれまで触れる機会が多かった方である。
結論
現時点でICHIは開発途中であり、現在生活機能や公衆衛生領域については関係者の努力で改善されており、近年中にWHAでの承認が期待される。承認後のICHIの我が国への活用については、まずは多くの医師・医療事務の方にICHIを理解していただくことである。そのために教育・普及のための教材の基本となる「ICHIテキスト」の修正やICHI地域研修会の開催を継続するとともに、さらなる ICHI 指導者の養成を行っていく。さらにその後、日本語への翻訳などと並行して、ICHI の国内利用ついての具体的方法を立案し、厚生労働省に提案したいと考えている。

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202102001C

収支報告書

文献番号
202102001Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,900,000円
(2)補助金確定額
2,900,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 31,570円
人件費・謝金 69,800円
旅費 333,250円
その他 1,865,380円
間接経費 690,000円
合計 2,990,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
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