診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)を利活用できる人材育成促進に資するための研究

文献情報

文献番号
202101018A
報告書区分
総括
研究課題名
診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)を利活用できる人材育成促進に資するための研究
課題番号
21AA2007
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
  • 笹渕 裕介(自治医科大学データサイエンスセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
9,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、NDB・DPCなどの保健医療ビッグデータや介護ビッグデータを用いた大規模データベース研究が拡大している。これらの研究をさらに発展させるためには、臨床医学・疫学・統計学の知識に加えて、データベースに関連する知識や技能に精通した人材の育成が必須である。
研究方法
令和3年度において、研究代表者・康永秀生の分担研究「ビッグデータ研究実践能力およびデータハンドリング技術養成プログラムの実践」では、(1)NDB用教育プログラムの新規開発、(2)オンサイトセンターの利活用の検討、(3)大規模データ(NDB,DPC,JMDCデータ等)を用いた研究の実践を行った。
研究分担者・中山健夫らの分担研究「NDBデータ研究の実践と人材育成プログラム開発・検証」では、アカデミアにおける研究者養成とは異なる形式での保健医療介護ビッグデータ研究人材育成の可能性について検討した。
研究分担者・田宮菜奈子らの分担研究「医療・介護データ活用による研究・人材育成」では、医療・介護保険レセプトデータやDiagnosis Procedure Combination (DPC)データなどの医療ビッグデータを用いた研究を推し進め、特に修士・博士課程学生や若手医師を対象にした人材育成に一層力を入れた。
研究分担者・笹渕裕介らの分担研究「診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)を利活用できる人材育成促進に資するための研究」では、研究計画立案、統計解析用ソフトウェアRについて双方向型オンラインプログラムの開発に着手した。


結果と考察
研究代表者・康永秀生の分担研究「ビッグデータ研究実践能力およびデータハンドリング技術養成プログラムの実践」では、(i) NDBガイドラインの理解のためのeラーニング型コンテンツ作成、(ii) NDBの概要の理解のためのeラーニングコンテンツ作成、(iii)オンサイトセンター利用に関するオンデマンド教育コンテンツの開発、(iv)Dockerの導入に関するオンデマンド教育コンテンツの開発を行った。大規模データベー(NDB,DPC,JMDCデータ等)を用いた研究を行い、2021年中に106編の英文原著研究論文を出版した。
研究分担者・中山健夫らの分担研究では、2つの社会人向けインテンシブコースの運営経験に基づく事例検討を行った。
研究分担者・田宮菜奈子らの分担研究では、医療・介護ビッグデータを有効に活用し新たな医学的知見を得ることができた。また、研究計画立案から、データクリーニング、統計解析、論文執筆、論文投稿、レビューワーとのやり取り、までの一連の流れについて、次世代を担う若手に経験してもらうと共に、明確な成果物として世に発信することができた。
研究分担者・笹渕裕介らの分担研究では、研究者にとって必要性の高い研究計画および統計ソフトウェアRについての双方向型オンラインプログラムの開発を行うこととした。
結論
今回我々が実践した研究は、NDBばかりでなくあらゆる保健・医療・介護ビッグデータに対応できる人材育成に関連するものである。開発されたプログラムやそれに基づく研究を継続的に実践することにより、ビッグデータのデータハンドリング、データベースマネージメントに関する総合的な技術を持つ研究者を多数輩出できる。また、日常臨床のクリニカル・クエスチョンを既存のビッグデータを用いて解明する研究実践能力を持つ研究者を多数輩出できる。さらに、データハンドリング技術と臨床研究実践能力の両方に長けた人材を多数育成でき、それによりわが国の医療ビッグデータ研究の進歩を加速できる。

公開日・更新日

公開日
2023-03-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202101018Z