戦没者遺骨の身元特定に係るDNA鑑定の精度向上に関する研究

文献情報

文献番号
202101015A
報告書区分
総括
研究課題名
戦没者遺骨の身元特定に係るDNA鑑定の精度向上に関する研究
課題番号
21AA2004
研究年度
令和3(2021)年度
研究代表者(所属機関)
橋谷田 真樹(関西医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
21,888,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、厚生労働省の戦没者遺骨のDNA鑑定事業において、1柱でも多くの戦没者遺骨からDNA型判定を成功させることで、正確かつ速やかに遺骨をご遺族のもとにお返しすることを最終目標とする。この目標を遂行する上で解決すべき大きな課題が2つある。まず、本事業に携わる各鑑定機関は独自の試行錯誤により鑑定を実施してきているため、知識や経験が共有されておらず、標準的なプロトコル等も定まっていない。また、遺骨をご遺族にお返しするためには該当する遺骨とご遺族との間の血縁関係を推定する必要があるが、多数の遺骨・ご遺族から該当する血縁者をスクリーニングするのは手作業であり、多大な時間を要する。これらの課題を解決するために、本研究では「① 戦没者遺骨鑑定の標準プロトコルの作成」、「② 多数の遺骨・ご遺族から該当する血縁者をスクリーニングする専用ソフトウェアの開発」を行う。
研究方法
① 「戦没者遺骨鑑定の標準標準プロトコルの作成」については、各研究分担者からそれぞれの鑑定方法を聞き取ることから始める。全員にDNA鑑定方法に関するアンケートを送り、得られた回答を整理した後検証実験を行い、最適なプロトコルを作成する。
②「多数の遺骨・ご遺族から該当する血縁者をスクリーニングする専用ソフトウェアの開発」は、プログラミング言語のRを用いて作成する。また、ボタン1つで簡単に操作できるようにするため、graphical user interface(GUI)化する.ソフトウェアには、複数人分の遺骨のshort tandem repeat (STR)型データ、および複数人分の遺族のSTR型データを入力できるようにし、遺骨と遺族の各ペアがどのような血縁関係にあるかを出力できるようにする。入力するSTR型データは、常染色体上のshort tandem repeat (STR)21か所の多型データとする。なお、実際の戦没者遺骨ではDNAの分解が進み,完全なSTR型が得られない場合も多いことから、STR型に欠損があるデータについてもソフトウェアで扱えるようにする。動作確認に用いるヒトSTRデータは既報の出現頻度を元に人為的に作成したものを使用する。
結果と考察
「① 戦没者遺骨鑑定の標準プロトコルの作成」については、各鑑定人の解析方法をまとめ、相違点や類似点を整理できた。「② 多数の遺骨・ご遺族から該当する血縁者をスクリーニングする専用ソフトウェアの開発」については、当初の予定通り、常染色体上STR情報を用いたソフトウェアを構築できた。
結論
「① 戦没者遺骨鑑定の標準プロトコルの作成」については、各研究分担者の解析方法がまとめられたことから、実際に遺骨試料を用いての検証実験を行う見通しができたことから、非常に順調に研究経過を経ていると言えよう。
「② 多数の遺骨・ご遺族から該当する血縁者をスクリーニングする専用ソフトウェアの開発」については、当初の予定通り、常染色体上STR用ソフトウェアを構築できた。従って次年度からはY染色体上STR、およびミトコンドリアDNA情報を用いるソフトウェアの開発に移ることになる。

公開日・更新日

公開日
2023-03-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

倫理審査等報告書の写し
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2023-03-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202101015Z