Claudin-1を標的としたC型肝炎ウイルス感染阻害法の開発とその臨床応用に向けた疫学調査

文献情報

文献番号
200831030A
報告書区分
総括
研究課題名
Claudin-1を標的としたC型肝炎ウイルス感染阻害法の開発とその臨床応用に向けた疫学調査
課題番号
H20-肝炎・若手-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
磯田 勝広(国立大学法人 大阪大学 大学院 薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 角田 慎一(独立行政法人 医薬基盤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、最近新規同定されたC型肝炎ウイルス(HCV)受容体、claudin-1(CL-1)に着目し、独自のCL binder〔アンタゴニスト〕創出技術を用いてHCV感染阻害薬を開発すると共に、疫学的にC型肝炎の炎症・悪化とCL-1の発現パターンの連関解析を行うことにより、近未来に臨床応用可能なC型肝炎の画期的予防・治療薬の創製を試みるものである。
研究方法
本年度は、各種キメラClaudin発現細胞を作製し、さらにclaudin-1またはclaudin-4のバキュロウイルスを構築するために各claudin発現プラスミドを構築した。また、 claudin-4提示ファージを用いて、BV-CL4発現とclaudin-4細胞による提示ファージ濃縮系の構築を試みた。
結果と考察
Claudin-1、claudin-3、claudin-4、claudin-5、claudin-7のFull Lengthおよび1stループをトランスフェクションし、発現をウエスタンブロットで観察した結果、各種キメラclaudin発現細胞のFull Lengthのバンドが確認できた。各種キメラclaudin発現細胞の作製ができたと考えられる。次にclaudin-4発現バキュロウイルス(BV-CL4)を作製し、Western blot法によりclaudin-4の発現を確認したところBV-CL4にのみclaudin-4の発現が確認できた。また、Claudinの細胞外領域に結合する分子であるウェルシュ菌エンテロトキシンのC末断片 (C-CPE) をprototypeとして用いたC-CPE構造変異体ライブラリの作製を試み、ライブラリを2種類作製した。2種類のライブラリを用いたファージ表面提示法によるClaudin-4発現L細胞とBV-CL4を用いたパンニング結果、ratioの上昇が認められた。これらのことより、Claudin-4発現L細胞とBV-CL4はファージ濃縮スクリーニング系に有効であると考えられる。
結論
Claudin-1、claudin-3、claudin-4、claudin-5、claudin-7を発現するL細胞の作製ができ
た。claudin-1またはclaudin-4組み換えバキュロウィルスが作製できた。Claudin-4発現L細胞とバキュロウイルスを用いたスクリーニング系の構築ができた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-08
更新日
-