文献情報
文献番号
200831022A
報告書区分
総括
研究課題名
肝炎・肝硬変に対する抗ウイルス剤以外の治療法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H20-肝炎・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
佐田 通夫(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門)
研究分担者(所属機関)
- 横須賀 收(千葉大学大学院医学研究院)
- 児島 将康(久留米大学 医学部 分子生命研科学研究所)
- 大平 弘正(福島県立医科大学 医学部 内科学第二講座)
- 角間 辰之(久留米大学 医学部 バイオ統計センター)
- 伊東 恭悟(久留米大学 医学部 免疫学講座)
- 矢野 博久(久留米大学 医学部 病理学講座)
- 八橋 弘(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター)
- 加藤 淳二(札幌医科大学 第四内科)
- 清家 正隆(大分大学 医学部 消化器内科)
- 長尾 由実子(久留米大学 医学部 消化器疾患情報講座)
- 川口 巧(久留米大学 医学部 消化器疾患情報講座)
- 井出 達也(久留米大学 医学部 内科学講座消化器内科部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,376,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝炎・肝硬変に対する既存の抗ウイルス療法とは異なる病態進展予防策の確立と新規治療法の開発を目的とする。
研究方法
1.非代償性肝硬変症患者への自己末梢血単核球細胞移植。2.消化管ホルモンであるグレリンの肝細胞増殖に及ぼす影響。3. HCVペプチドワクチンの臨床への導入を検討。4.非B非C型肝癌の解析。5.C型慢性肝疾患々者の病態進展に関わる因子の解析。6.C型肝細胞癌におけるB型肝炎ウイルスの関与。7.自己免疫性肝炎で肝硬変、肝癌に進展する例の実態。8.ビブリオ・バルニィフィカス感染症に対する認知度調査。9.口腔及び皮膚疾患の解明と治療法の開発。10.肝細胞内への鉄貯蔵とインスリン抵抗性について検討。11.肝硬変での脾摘の効果について検討。
結果と考察
1.3名に対して自己末梢血単核球細胞移植療法を施行。Child-Pughスコア、MELDスコアの改善傾向を確認。2.グレリンでは、肝血流増加作用と肝障害改善作用を確認。3.ペプチドワクチンではHLA-A2以外にも、HLA-A24拘束性キラーT細胞誘導活性を有し、多くの患者に投与ができる可能性を示唆。4. 7579例を調査し、HCV関連肝癌が減少し、非B非C関連肝癌が増加していた。一方、非B非C肝癌例の病理組織像では、発癌要因に糖尿病を含む代謝性疾患、NASHなどの関与を示唆。5. C型慢性肝疾患々者812例中336名の死亡例があり、肝癌死38.4%、肝不全死6.3%、消化管出血死0.9%、であった。6.HCV関連肝癌において血中HBc抗体又はHBs抗体陽性者の63%にHBV-DNAが検出。7.自己免疫性肝炎での肝硬変進展例につき、161例を登録。肝発癌例6例については、肝硬変進展例・ALT値異常持続例であった。8.ビブリオ・バルニフィカス感染についてのアンケート調査では、認知度は低く感染予防への認知度も低かった。9. C型肝炎での口腔カンジダ感染に対する研究を開始。C型肝炎における乾癖の合併頻度と全国アンケート調査を実施。10.長期の除鉄療法は肝発癌予防に寄与。BCAAがインスリン抵抗性を改善した。11.脾摘の脂質・糖代謝及び肝に及ぼす影響が検討され、肝に脂質代謝異常が出現。
肝硬変の治療戦略、肝発癌予防、QOL改善、肝疾患の進展阻止を考えるための疫学、基礎、臨床研究の結果が得られつつある。非A非B型肝癌の増加が我国における今後の問題点であり、病態解明は重要である。
肝硬変の治療戦略、肝発癌予防、QOL改善、肝疾患の進展阻止を考えるための疫学、基礎、臨床研究の結果が得られつつある。非A非B型肝癌の増加が我国における今後の問題点であり、病態解明は重要である。
結論
肝炎、肝硬変に対する抗ウイルス剤以外の治療法の確立は病態進展阻止、肝発癌予防、QOLの改善、医療経済の面からも重要な検討課題である。
公開日・更新日
公開日
2009-04-15
更新日
-