UNGASS REPORT等の報告書作成に必要な情報を収集・分析する研究

文献情報

文献番号
200830041A
報告書区分
総括
研究課題名
UNGASS REPORT等の報告書作成に必要な情報を収集・分析する研究
課題番号
H20-エイズ・一般-007
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 仁一(神奈川県小田原保健福祉事務所)
  • 諸岡 健雄(国際医療福祉大学大学院)
  • 野田 龍也(浜松医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国連エイズ特別総会(UNGASS)のフォローアップとして国連に提出が求められるデータについて既存の調査研究を整理するとともに、現状における課題と不十分な情報についての考察を行うこと。
研究方法
「UNGASSレポートの基礎となるデータの日本国内における所在と2008レポートにおける我が国の位置づけについて(分担研究1)」及び「地域におけるHIV/AIDS教育、若年者への意識・教育効果に関する研究(分担研究2)」では、文献データベースを用いて既存の調査研究を整理するとともに、諸外国のUNGASS報告書を分析した。「 ハイリスクグループのサイズ推計及び流行状況に関する研究(分担研究3)」では、Scale-Up Methodを用いたインターネットアンケートを実施し、ハイリスクグループのサイズ推計を試みた。「HIV感染率に関する推計及び将来予測(分担研究4)」では指数平滑法により感染者数(報告値)の将来予測を行った。「エイズ対策関連の法制度に関する国際比較研究」では欧州薬事法規データベース(ELDD)を用いて国際比較研究を行った。
結果と考察
行政データ、厚生労働科学研究等によって、国際比較が可能な形でのデータ収集・報告の多くが可能であることが示唆された。インターネットアンケートを用いたScale-Up Method の応用可能性が示され、また指数平滑法により日本国籍を有する者のHIV感染者数(報告値)を比較的妥当な水準で推計できることが明らかとなる一方、その課題も明らかとなった。ハームリダクションと薬物規制の刑事罰の運用においては個人的な薬物利用についての厳罰化の回避と、注射針交換プログラムの違法性の阻却の両面から取り組まれていることが確認された。
結論
UNGASS報告のためのデータはある程度我が国に整っているものの、国連から要求される内容・頻度で常にすべての情報が得られるわけではない。公式な統計、研究班における調査の実施にあたっては、国際的に報告を求められる情報との整合性にも一定の留意を行いつつ、情報基盤を整備してゆくことが重要である。UNGASSレポートにおける我が国の位置づけ、若年者の意識・教育効果に関するデータ、HIV感染率に関する推計及び将来予測、エイズ対策関連の法制度に関する国際比較研究から得られた知見は、我が国におけるエイズ予防に対する意識啓発に資することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2009-05-18
更新日
-