地域におけるHIV陽性者等支援のための研究

文献情報

文献番号
200830039A
報告書区分
総括
研究課題名
地域におけるHIV陽性者等支援のための研究
課題番号
H20-エイズ・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
生島 嗣(特定非営利活動法人ぷれいす東京 研究事業/支援・相談サービス)
研究分担者(所属機関)
  • 牧原 信也(特定非営利活動法人ぷれいす東京 研究事業/支援・相談サービス)
  • 若林 チヒロ(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
  • 大木 幸子(杏林大学 保健学部)
  • 青木 理恵子(特定非営利活動法人チャーム 事務局)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HIV陽性者の地域における支援環境の準備性を高めるために、HIV陽性者、支援者の実態を把握しつつ、相談や支援のモデルを提示していく。
研究方法
[HIV陽性者の生活の実態把握]
1.NPOに寄せられた相談内容を分析。2.HIV陽性者のインタビューによる事例を収集。3.HIV陽性者の生活課題を明らかにする質問紙調査を企画。全国の拠点病院等59機関に協力を依頼、35機関から返信があり、33機関から協力を得た。2138名の陽性者に自記式質問紙配布、郵送回収。
[地域支援の実態把握]
4.エイズ拠点病院の外来看護師、同ソーシャルワーカー等を対象に支援内容、困難要因に関するインタビューを実施。5.保健所におけるHIV陽性者への相談・支援機能に関する研究を実施。25名の保健師及び医師への半構造的面接を行い、質的に分析。6.地域の相談機関におけるHIV陽性者への相談対応に関する調査を実施。行政、民間の相談機関957ヶ所を対象に郵送調査を実施。
[支援モデルの提示]
7.NPOの相談員を対象に、相談の流れと留意点をグループ・インタビューにより分析。8.告知から半年以内のHIV陽性者向けプログラムの修了者90人による無記名アンケートの集計・分析を行い、プログラム効果を評価。
結果と考察
[HIV陽性者の生活の実態把握]
1.相談2007件の内容は、生活領域に関するものが全体の8割弱を占めた。2.就労、薬物使用に関する14事例、感染告知から診療までの課題につき11事例をまとめた。3.現在、調査票を配布、回収中。
[地域の支援の実態把握]
4.インタビューで得られた内容を困難要因ごとにカテゴリー化し、具体的な困難さの状況を抽出した。5.インタビューを行った結果、A.HIV検査後の陽性告知での基本的視点及び支援技術、体制、B.インタビューで得られた継続支援事例の特性及び課題が明らかになった。6.対象は、東京都内の相談機関957ヶ所であったが、回収率は51.6%であった。回答機関の3分の1が、HIV陽性者等への相談経験があったが、HIVの知識、情報等に課題があり、約7割が研修を希望。
[支援モデルの提示]
7.NPOによる相談サービスの概要、相談の流れ、留意点を整理した。8.また、HIV陽性であることを知った直後のHIV陽性者向けのプログラムの有効性が示唆された。
結論
HIV陽性者、支援の実態を通し、来年度以降、支援モデルを提示しながら、地域の支援環境の整備のために必要な基礎資料を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-18
更新日
-