有効かつ安全なインフルエンザ粘膜ワクチンの確立を目指した新規アジュバントシステムの開発

文献情報

文献番号
200829049A
報告書区分
総括
研究課題名
有効かつ安全なインフルエンザ粘膜ワクチンの確立を目指した新規アジュバントシステムの開発
課題番号
H20-新興・若手-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
角田 慎一(独立行政法人医薬基盤研究所 基盤的研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉岡 靖雄(大阪大学臨床医工学融合研究教育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、新型インフルエンザ等の新興・再興感染症に対する有効かつ安全な粘膜ワクチンの確立を目的に、独自の機能性サイトカイン創製技術を駆使することにより“宿主の粘膜面及び全身に抗原特異的な体液性・細胞性免疫を惹起できる機能性サイトカインアジュバントの創出”を図るものである。
研究方法
本年度には、経鼻粘膜ワクチンアジュバントとして有効なサイトカインの選択を目的に、マウス経鼻ワクチン実験において、ニワトリOVA、あるいはインフルエンザHA蛋白質をワクチン抗原とし、16種類のTNFスーパーファミリーサイトカイン、および26種類のインターロイキンファミリーサイトカインを用いてアジュバント効果に基づいたスクリーニングを行った。
結果と考察
TNFスーパーファミリーの中で、ある種のサイトカインを粘膜アジュバントとすることでTh2タイプの免疫応答を効率よく誘導すること、一方インターロイキンファミリーの中でもある種のサイトカインがTh2およびTh1両タイプの免疫応答を、全身および粘膜面(IgA産生)において誘導することが示唆された。これらアジュバントに用いるサイトカインの種類によって、異なった粘膜免疫応答を示すこと、また細胞性免疫誘導に関連するTh1タイプの応答を示すサイトカインが見出されたことは、有効な粘膜ワクチンシステムの開発に極めて興味深い知見である。
結論
本研究成果は、新興再興感染症に対する有効な予防法の開発に寄与することで厚生労働行政に貢献するとともに、未だ不明な点が多い粘膜免疫システムに関する有用な知見を提供できるものと期待できる。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
-