罹患構造の変化に対応した結核対策の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200829040A
報告書区分
総括
研究課題名
罹患構造の変化に対応した結核対策の構築に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
石川 信克((財)結核予防会結核研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 御手洗聡((財)結核予防会結核研究所 )
  • 坂谷光則(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 阿彦 忠之(山形県健康福祉部(兼)山形県衛生研究所)
  • 伊藤 邦彦((財)結核予防会結核研究所 )
  • 重藤えり子(独立行政法人国立病院機構東広島医療センター)
  • 大森 正子((財)結核予防会結核研究所 )
  • 吉山 崇((財)結核予防会複十字病院(兼)結核研究所)
  • 加藤 誠也((財)結核予防会結核研究所 )
  • 下内 昭(大阪市保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
結核低まん延化の進む日本で、様々な疫学的病態的状況の変化に対し有効かつ効果的結核対策を新たに構築するための資料、試案を提供する。
研究方法
文献的考察、低まん延先進諸外国との比較や現地視察、発生動向調査データの分析、諸機関・専門家へのアンケート調査、登録患者の再調査、分子疫学的解析、ワークショップ、国内現地視察等による。
結果と考察
「菌バンク・病原体サーベイランス」では、臨床分離株と付随情報を収集し衛生研究所を基にした地域レファレンス機能の結核への応用について検討と施行を行なった。「医療機関病原体サーベイランス」では、国立病院ネットワークでの臨床分離株の遺伝子タイピングを施行分析し、大阪の臨床分離薬剤感受性株の分子疫学的分析を行った。「患者発見予防」では『接触者健診の手引き』を改訂し質疑応答集を作成した。また山形県の結核患者を分析し早期診断と院内感染対策への提案を行い、「院内感染対策ガイドライン」作成準備を行った。「適正医療確保」では、治療中断者とモデル病床に関する全国調査結果を分析し、結核医療のQIの試案を作成した。「医療のあり方」では、結核病床の合併症対応の調査を実施した。また医療基準の解説やガイドラインの作成準備を行った。「サーベイランス」では、低まん延状態化の将来予測を行った。結核菌遺伝子分析から住所不定者の感染リスクが一般よりも高いことを示した。また対策強化によって患者数・耐性結核が減少した成功事例を示した。「対策評価」では以前の結果を改訂施行し自治体へのフィードバック方法を検討した。「対策実施体制」ではノルウェーを視察し低まん延下の結核対策についての知見を得た。「リスク集団対策」では、大阪市のホームレスに対する総合的対策での健診やDOTSの効果を評価し、発病要因および結核菌遺伝子タイピングによる疫学分析を行った。また在留外国人結核の現状も分析した。
結論
本研究は低まん延化とリスク集団への遍在という今後の日本の結核疫学状況に対処しやや広範囲のテーマで今後の対策の様々な課題に迫ったが、1年目の成果として、幅広い実際的な多くの知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
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