文献情報
文献番号
200829015A
報告書区分
総括
研究課題名
広域における食品由来感染症を迅速に探知するために必要な情報に関する研究
課題番号
H18-新興・一般-016
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
寺嶋 淳(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究分担者(所属機関)
- 清水 俊一(北海道立衛生研究所 微生物部)
- 甲斐 明美(東京都健康安全研究センター 微生物部)
- 松本 昌門(愛知県衛生研究所 微生物部)
- 勢戸 和子(大阪府立公衆衛生研究所 細菌課)
- 中嶋 洋(岡山県環境保健センター 細菌科)
- 堀川 和美(福岡県保健環境研究所 病理細菌課)
- 渡辺 治雄(国立感染症研究所 細菌第一部)
- 武田 直和(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
- 染谷 雄一(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
- 片山 和彦 (国立感染症研究所 ウイルス第二部)
- 田中 智之(堺市衛生研究所 微生物グループ)
- 秋葉 道宏(国立保健医療科学院 水道工学部施設工学室)
- 八木田健司(国立感染症研究所 寄生動物部)
- 黒木 俊郎(神奈川県立衛生研究所 微生物部)
- 片山 浩之(東京大学大学院 工学系研究科 )
- 森田 重光(麻布大学 環境保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
43,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
広域における食品由来感染症の被害拡大を未然に防ぐことを目的として、病原体の検出法の改良・開発と共に、解析技術の精度管理を行い、病原体の解析情報に基づく互換性のあるデータベースを構築する。データベースの利用により、分離株の解析情報を共有・還元して食品由来感染症の制御に役立つシステム構築を行う。
研究方法
1)食品由来細菌感染症の起因菌に対して標準化PFGE法、IS-printing法及びMultilocus variable-number tandem repeat analysis (MLVA)法による解析と解析技術の精度管理を行い、PFGE解析データベースの構築を継続する。
2)ノロウイルス(NoV)及びサポウイルス(SaV)の組換えウイルス様粒子(VLPs)の作成から抗体作成を行う。食品からのNoVの迅速診断方法としてイムノクロマト(IC)キットの開発を行う。カリシウイルスの解析情報共有化にむけて日本版カリシネットを整備する。
3)水道水源環境における原虫類の遺伝子型別濃度分布の解明及び検査法や除去法の改良を行う。
2)ノロウイルス(NoV)及びサポウイルス(SaV)の組換えウイルス様粒子(VLPs)の作成から抗体作成を行う。食品からのNoVの迅速診断方法としてイムノクロマト(IC)キットの開発を行う。カリシウイルスの解析情報共有化にむけて日本版カリシネットを整備する。
3)水道水源環境における原虫類の遺伝子型別濃度分布の解明及び検査法や除去法の改良を行う。
結果と考察
本研究班の構成機関である地研等において標準化PFGEの解析結果が行政対応に活用されている。遺伝子型が一致する腸管出血性大腸菌O157が広域から分離されており、継続的な監視活動が必要である。SaVのVLPsを発現させ、その高力価血清を作成した。その結果、遺伝子群特異的単クローン抗体,遺伝子型特異的単クローン抗体および全てのSaV VLPsと反応する単クローン抗体が得られた。インターネット上のカリシウェブのフロントページおよびCaliciWeb骨格デザインを構築した。水道水源周辺環境の原虫の遺伝子型別分布濃度及び畜産排水処理施設での除去性を明らかにした。
結論
病原体解析情報の共有化に向けて、細菌解析情報ネットワークであるパルスネットが稼動しており、NoVの遺伝子型判定基準を策定するために、カリシウイルス株のゲノム全長の解析を実施した。Nov, SaVの遺伝子解析に用いるインターネット上のカリシウェブのフロントページおよびCaliciWeb骨格デザインを構築した。水道水源周辺環境のクリプトスポリジウム等の原虫の遺伝子型別分布や発生源である畜産排水処理施設における除去性が明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2010-01-12
更新日
-