動物由来感染症のコントロール法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200829007A
報告書区分
総括
研究課題名
動物由来感染症のコントロール法の確立に関する研究
課題番号
H18-新興・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 泰弘(国立大学法人東京大学 大学院農学生命科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 宇根有美(麻布獣医大学)
  • 森川茂(国立感染症研究所外来ウイルス室)
  • 神谷正男(酪農学園大学環境システム学部)
  • 奥祐三郎(国立大学法人北海道大学大学院獣医学研究科)
  • 川中正憲(国立感染症研究所寄生動物部)
  • 岸本壽男(国立感染症研究所ウイルス1部)
  • 佐野文子(千葉大学真菌医学研究センター)
  • 丸山総一(日本大学生物資源科学部)
  • 太田伸生(東京医科歯科大学医歯総合研究所)
  • 今岡浩一(国立感染症研究所獣医科学部)
  • 杉山広(国立感染症研究所寄生動物部)
  • 増澤俊幸(千葉科学大学薬学部)
  • 小泉信夫(国立感染症研究所細菌研究部)
  • 平山謙二(長崎大学熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
68,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、これまで個々に行われてきた課題を統括し、動物由来感染症の一貫した、統一的リスク評価方法の確立、及びリスク評価の結果に応じた効果的な統御方法を検討することを目的とした。
研究方法
個々の病原体、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、及び宿主である野生動物、伴侶動物、輸入動物などに関連する動物由来感染症に関する研究を遂行した。また現地調査、海外調査やハイリスク者の疫学調査をすすめ、リスクプロファイルの基盤情報を集めた。
結果と考察
ハイリスク者の20%が検索したいずれかの抗体で陽性であったことは、動物由来感染症の評価にあたり、重く受け止める必要がある。野生動物・輸入動物に関してはマングース(レプトスピラ)、ハムスター(パスツレラ)、スズメ(サルモネラ)、アライグマ(回虫)、コウモリ(ヘルペス、コロナウイルス)、キツネ(エキノコックス)等に関して研究を進めた。また真菌では新しいヒストプラズマ株の流行が明らかになった。輸入野生げっ歯類のバルトネラ汚染の総括的疫学調査結果が明らかにされた。寄生虫では肺吸虫のサワガニの汚染、アニサキスの汚染状況、イヌ回虫の疫学調査、住血吸虫のワクチン開発など多様な研究が進められた。伴侶動物ではオウム病、イヌのブルセラ症、カプノサイトファーガの研究が進んだ。各研究に関しては概ね予定通りの進捗状況であった。

結論
3年間の主要な研究目標の一つであった一貫性のある動物由来感染症評価のための定量的なリスクプロファイルの作成を行った。動物由来感染症のうち、国内には存在しない輸入感染症については、まだ完全な評価式はできていない。しかし、このような網羅的評価の試みは世界でも行われておらず、リスク管理措置の基盤として有効であろう。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200829007B
報告書区分
総合
研究課題名
動物由来感染症のコントロール法の確立に関する研究
課題番号
H18-新興・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 泰弘(国立大学法人東京大学 大学院農学生命科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 宇根有美(麻布獣医大学獣医学部)
  • 森川茂(国立感染症研究所外来ウイルス室)
  • 神谷正男(酪農学園大学環境システム学部)
  • 奥祐三郎(北海道大学大学院獣医学研究科)
  • 川中正憲(国立感染症研究所寄生動物部)
  • 岸本壽男(国立感染症研究所ウイルス1部)
  • 佐野文子(千葉大学真菌医学研究センター)
  • 丸山総一(日本大学生物資源科学部)
  • 太田伸生(東京医科歯科大学医歯総合研究所)
  • 今岡浩一(国立感染症研究所獣医科学部)
  • 杉山広(国立感染症研究所寄生動物部)
  • 増澤俊幸(千葉科学大学薬学部)
  • 小泉信夫(国立感染症研究所細菌研究部)
  • 平山謙二(長崎大学熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
動物由来感染症コントロールのための有効な方法の確立を目的として、 本研究班では種々の病原体と宿主の関係について調査研究を行い、その結果を生かして、統一性のあるリスク評価のための方式の確立を試みた。
研究方法
ハイリスク者の疫学調査、個々の感染症の調査研究、海外委託・共同研究、フィールド調査及び統一的評価のためのリスクシナリオの作成を進めた。
結果と考察
リスク評価に用いるリスクプロファイルの基盤情報を得るために、以下の研究を遂行した。動物由来感染症のハイリスク者(獣医師、獣医看護師等)を対象としたサーベイランスによる汚染状況の把握。動物由来感染症(約100種)のリスク・プロファイリングの作成。輸入動物の病原体検索(齧歯類、有袋類等)、輸入動物の品質確認(バルトネラ)。野生動物由来感染症の調査と制御(エキノコックス、アライグマ回虫、レプトスピラ)。アジア近隣諸国での調査(フィリピン、中国、タイ、インドで、寄生虫、翼手目の調査)。伴侶動物の病原体診断法開発(オウム病、ネコ引掻き病、パスツレラ他)。真菌、寄生虫、ウイルス感染症の統御研究(ワクチン開発、診断法開発)。おおむね順調に研究を進めることができた。
結論
本研究班における研究成果は、国際雑誌への掲載、国際学会での発表、招待講演等で広く成果が発表された。輸入動物に関しては新規に輸入されるようになった有袋類の病原体保有状況に関して寄生虫、細菌、ウイルス等、分担研究者・協力研究者のネットワークで解析を進めた。一貫性のある動物由来感染症評価のための定量的なリスクプロファイルの作成を行った。このような網羅的評価の試みは世界でも行われておらず、リスク管理措置の基盤として有効であると思われる。

公開日・更新日

公開日
2009-06-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200829007C