黄斑部疾患診断のための客観的網膜機能評価法の確立

文献情報

文献番号
200828011A
報告書区分
総括
研究課題名
黄斑部疾患診断のための客観的網膜機能評価法の確立
課題番号
H19-感覚器・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
角田 和繁(独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター視覚研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 谷藤 学(理化学研究所 脳科学総合研究センター脳統合機能研究チーム )
  • 三宅 養三(愛知淑徳大学 医療福祉学部視覚科学専攻)
  • 篠田 啓(大分大学医学部 脳・神経機能統御講座 感覚運動医学分野・眼科学)
  • 楠城 紹生(株式会社ニデック 研究開発本部 探索研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
黄斑部網膜の神経活動を非侵襲的かつ客観的に評価する複数の検査技術を開発、あるいは臨床応用し、黄斑部の他覚的機能評価を統合的に行い、より質の高い診断・治療に結びつけることを目的とする。
研究方法
①黄斑部局所ERG、②網膜内因性信号計測法、③機能的OCTという、測定原理の異なる3つの他覚的計測法を用いて、網膜黄斑部の神経機能をそれぞれ、①電気生理学的に、②平面的空間パターンとして、③断層的空間パターンとして捕らえるための開発研究ならびに臨床研究を行う。
結果と考察
動物実験においては、網膜内因性信号が神経節細胞の活動による血流変化を反映しており、網膜外層だけでなく、内層の機能評価が可能なことを示した。これにより網膜内層疾患(緑内障等)をイメージングによってスクリーニングする可能性が示された。また従来の近赤外光に加えて、可視光を用いた反射率計測により、網膜後極部における色素褪色変化を杆体細胞、S錐体細胞、ML錐体細胞に分離してマップする技術を開発した。
ヒト被験者の計測においては、ビデオを用いた従来の反射率計測に代わり、単一刺激(snap-shot)の撮像によって黄斑部のブリーチング変化を記録する簡便な検査法を開発した。
さらに、黄斑部局所網膜電図を用いた検査により、世界でも最も大規模なオカルト黄斑症の家系の詳細な調査を行った。これにより全容の解明されていない同疾患の新たな知見が得られつつある。
結論
各計測法について実用化レベルに大きな開きが存在するものの、それぞれの研究部門において実用化および臨床応用貢献に向けた着実な成果、進展が得られた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
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