文献情報
文献番号
200827018A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の自立支援のための移乗システムの研究
課題番号
H19-障害・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小林 裕介(長野工業高等専門学校 機械工学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
1,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
車いす使用者が車いすやベッドなどへ移る動作”移乗動作”は車いす使用者にとって日常生活を送る上で必要不可欠な動作であるが、一人で移乗を行う際には非常に負担となる。既存の移乗装置は介助者を要することが多く、あるいは大がかりな物多いため敬遠されている。こういった事から現在、多くの車いす使用者は移乗装置を使わずに負担のかかる動作により移乗を行っている。
こういった現状を打開するために移乗動作時の人間にかかる負担、障害の度合いと可能な動作、能力と移乗動作の関係を明らかにし、人間工学的に移乗を容易に行えるシステムの開発を行う。システムとしては、一人で移乗を行える(自立支援)、携帯性に優れ外出先でも使用可能、移乗をスムーズに行える形状、手指に障害を持つ人でも問題なく使える、といった特徴を持たせる。
こういった現状を打開するために移乗動作時の人間にかかる負担、障害の度合いと可能な動作、能力と移乗動作の関係を明らかにし、人間工学的に移乗を容易に行えるシステムの開発を行う。システムとしては、一人で移乗を行える(自立支援)、携帯性に優れ外出先でも使用可能、移乗をスムーズに行える形状、手指に障害を持つ人でも問題なく使える、といった特徴を持たせる。
研究方法
20年度は19年度に仮試作した移乗補助具の問題点であったクッション厚さによる段差を改善し、使いやすさ、安全面について検討した。さらに試作した補助具の強度、安全性、力学的特徴を明確にするために力学解析を行った。
結果と考察
問題点の改善として移乗補助具の部品形状を変更した。その結果、車いす座面に8cmのクッションを載せた状態でも補助具との間に段差は発生しなかった。また、移乗動作時の車いすのずれの抑制として収納可能な突起による手法を検討した。
仮試作した移乗補助具について力学解析を行った結果、日常で使う程度の力に関しては安全率が1.0を下回ることがなかった。一定条件下においては安全率が0.9となったので、想定外の状況でも十分安全な使用が行えるようにさらなる改善の余地はある。また、負担の大きい箇所が分かったので、解析結果を元により最適な設計を行うことも可能となった。
仮試作した移乗補助具について力学解析を行った結果、日常で使う程度の力に関しては安全率が1.0を下回ることがなかった。一定条件下においては安全率が0.9となったので、想定外の状況でも十分安全な使用が行えるようにさらなる改善の余地はある。また、負担の大きい箇所が分かったので、解析結果を元により最適な設計を行うことも可能となった。
結論
本年度は19年度に仮試作した移乗補助具の問題点の改善と力学解析を主として行った。これによりクッション厚さによる段差の問題を改善し、移乗をしやすくするためのいくつかの案を検討した。また、力学解析によって仮試作した移乗補助具の安全率、変位、応力などの力学的特性を明らかにした。
公開日・更新日
公開日
2009-03-17
更新日
-