精神障害者の地域ケアの促進に関する研究

文献情報

文献番号
200827012A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の地域ケアの促進に関する研究
課題番号
H19-障害・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
宮岡 等(北里大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 修一郎(金沢文庫エールクリニック)
  • 澤 温(医療法人北斗会ほくとクリニック)
  • 樋口 進(独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センター 臨床研究部)
  • 田中 克俊(北里大学大学院 医療系研究科)
  • 武田 龍太郎(医療法人社団慶神会武田病院)
  • 岩満 優美(北里大学大学院 医療系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)精神障害者の治療に当たる機関は機能分化と連携が適切になされているとは言い難い。(2)増加している非精神病性精神障害の治療には精神医学の治療技法では解決できない部分があり、プライマリケア医や保健所等地域の社会資源と適切な連携が不可欠である。本研究の目的は、これらを考慮して、精神障害者に適切な医療を提供できる地域ケアのシステムを確立することである。
研究方法
研究は「非精神病性精神障害(ギャンブル依存、アルコール依存、人格障害)に関する研究」と「地域連携システム(教育システム、医療圏、精神科救急、心理士)に関する研究」の2つに分けられる。調査、実践、問題抽出、解決策検討の流れで行う。


結果と考察
宮岡:インターネットを利用した教育システム、抗うつ薬の効果を期待しにくいうつ状態の診療ガイドラインの必要性が明らかとなった。藤原:精神科医中心のNPO設立、具体的に連携を進めるための事業の必要性がわかった。澤:病院、診療所ともに毎日救急医療をするのは不可能であることが分かり、病院や、定点の休日診療所において開く必要があると考えられた。樋口:アルコール依存症に対する抗酒薬等治療に関する無作為統制研究が開始された。田中: ギャンブル依存症の今後の研究、連携のため関連機関のリスト、評価尺度を作成した。武田:人格障害患者の治療では機関間連携がスムーズにいかないことが明らかとなった。岩満:心理士自身が習得しなければならないことを明らかにし、心理士の実態調査のための調査用紙が作成されている。
結論
宮岡:教育システム継続と抗うつ薬が効果的になりにくいうつ状態診療ガイドライン作成する。藤原:精神科医を中心としたNPOを設立と具体的な連携の取り組みを開始する。澤:精神科救急協力態勢に関する調査結果を解析することで、勤務者の負担を均等化する救急体制のシステムを提言する。樋口:アルコール依存症の治療に関する無作為統制試験の解析より治療に関するエビデンスを提供できる。田中:日本語版SOGSを用いた調査を行うことで、病的ギャンブリングの関連要因について検討する。武田:パーソナリティー障害の実態調査、具体的な取り組みによりパーソナリティー障害の治療・対応における地域連携のありかたを提言する。岩満:質問紙を使用し、医療機関および非医療機関での心理士の実態調査を行い、他職種との連携について考察する。これにより地域連携における心理士の役割を提言できる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-