身体障害者福祉法における今後の障害認定のありかたに関する研究

文献情報

文献番号
200827011A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者福祉法における今後の障害認定のありかたに関する研究
課題番号
H19-障害・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 柳澤 信夫(関東労災病院)
  • 伊藤 利之(横浜リハビリテーションセンター事業団)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 身体障害者福祉法の主な目的は、「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進する」ことである。ところが、同法における障害認定は、身体障害者福祉法にかかわるサービス提供のためにはほとんど利用されておらず、他制度の活用のための基準として用いられていることがほとんどである。
 身体障害者の自立と社会経済活動への参加促進という本来の法の目的に合致した障害認定のありかたについて検討することが本研究の目的である。
研究方法
 昨年度の研究成果から、リハビリテーションを支援するための障害認定の適切な基準の確立のためには、いろいろな、評価の組み合わせや新たな基準の設定の必要性が明らかになった。
 本年度は、脳卒中者の急性期からのリハビリテーションにおいて、どのような対象が、どの時期に、どの位の割合で自立支援施設を利用しているのか、その実態を把握して、自立支援施設の役割や障害認定の適切な時期について検討した。また、08年10月27日から、英国で就労と促進と生活支援の両方を目的とした雇用・生活支援手当(Employment and support allowance:ESA)が給付され始めたことから、その障害認定を分析した。
結果と考察
 急性発症の脳卒中者を対象としたリハビリテーション過程では、障害者自立支援施設の利用はごく限られており、ADLの自立度も高いことが明らかになった。
 また、「雇用・生活支援手当」における認定基準は、それに職業的な内容を追加するような変更もなく、能力障害の評価中心であることも変化していないことから、認定基準においては、その趣旨にそった変更はないことが明らかとなった。
 リハビリテーションを支援するための障害認定のためには、機能障害からリハビリテーションによる回復の範囲を予測し、その回復の程度の違いを評価する方法が考えられる。
結論
 リハビリテーションを支援するための障害認定のあり方を検討するために、脳卒中者の急性期からのリハビリテーションにおいて、自立支援施設の役割や障害認定の適切な時期について検討した。
 また、英国の「雇用・生活支援手当」障害認定を調査した結果、認定基準に職業的な内容を追加する変更もなく、能力障害の評価中心であることも変化していないことが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2009-04-28
更新日
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