障害者ケアマネジメントのモニタリングおよびプログラム評価の方法論に関する研究

文献情報

文献番号
200827009A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者ケアマネジメントのモニタリングおよびプログラム評価の方法論に関する研究
課題番号
H19-障害・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
坂本 洋一(和洋女子大学 生活科学系 社会福祉学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 順一郎(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 野中 猛(日本福祉大学)
  • 大嶋 巌(日本社会事業大学)
  • 吉田 光爾(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本年度は、障害者ケアマネジメントフィデリティ評価尺度を開発するために、①イギリスのケアマネジメント実務者とケアマネジメント・スタンダード案をバージョンアップさせること、②プログラム理論に基づくフィデリティ評価尺度を作成すること、③ケアマネジメントのフィデリティ評価尺度の有用性・妥当性を検証すること、④相談支援事業所のスタッフの評価尺度に対する重要度・困難度を明らかにすること等を目的とした。
研究方法
 主任研究者、分担研究者、研究協力者から構成される研究組織を設置した。第一のテーマでは、イギリスのオルダム市ソーシャルサービス部門のケアマネジメント実務者4名と研究組織のメンバーと討論を行った。第二のテーマでは、障害者ケアマネジメントフィデリティ評価尺度の作成を行った。第三のテーマでは、開発したフィデリティ評価尺度を用いて、全国の先駆的な相談支援事業者19箇所に対して、実際の支援プロセスを調査した。第四のテーマでは、19箇所の相談支援事業所のスタッフに対して評価尺度に関する訪問・聞き取り調査を行った。
結果と考察
 第一のテーマでは、イギリスのケアマネジメントの質の担保の実情、フィデリティ評価尺度が本人主導で行われるべきであること、ケアマネジャー教育の重要性等が明らかになった。さらに、イギリスのインディビジュアル・バジェットの具体的な実情も知った。第二のテーマでは、フィデリティ評価尺度として、「ケアマネジメントのプロセス」「事業体の構造と機能」「地域コーディネーション」の3領域35項目から成る調査票を作成した。第三のテーマでは、開発したフィデリティ評価尺度に関して多様な側面から記述するのに非常に有用であった。第四のテーマでは、フィデリティ評価尺度に盛り込んだ項目は重要度が高いことが示された。フィデリティ評価尺度を完成させるために、今後、先駆的な事業体だけでなく、一般の相談支援事業所を対象にして妥当性を検証する必要があると思われた。
結論
 本年度の研究では、フィデリティ評価尺度の妥当性がある程度検証された。その評価尺度は、「ケアマネジメントのプロセス」「事業体の構造と機能」「地域コーディネーション」の3領域35項目から構成される。今回の調査対象はケアマネジメント実践が活発な全国の先駆的な事業所であり、評価項目では困難度の高い項目や重要度の低い項目があったが、評価項目から除外する必要性はないと思われる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
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