文献情報
文献番号
200827004A
報告書区分
総括
研究課題名
虞犯・触法等の障害者の地域生活支援に関する研究
課題番号
H18-障害・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
田島 良昭(社会福祉法人 南高愛隣会)
研究分担者(所属機関)
- 藤本 哲也(中央大学 法学部)
- 山本 譲司( )
- 清水 義悳(日本更生保護協会)
- 高橋 勝彦(社会福祉法人 宮城県社会福祉協議会 船形コロニー)
- 酒井 龍彦(社会福祉法人 南高愛隣会、長崎就業・生活支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
罪を犯し、又は罪を犯す虞のある障害者の地域社会での自立促進を図る観点から、実態調査を実施し現状における問題点を探るとともに、就労、生活訓練、地域生活支援への移行のあり方、社会復帰に向けた福祉分野の役割と矯正及び更生保護の関係機関等との連携の具体的な取り組み、法的整備に関する課題等を分析することを目的とした。
研究方法
○ 藤本研究グループ
わが国の矯正施設(刑務所・少年院)に収容された障害者の実態調査を実施。「罪を犯した知的障害者の処遇に関する研究」について英米圏との比較を行った。
○ 清水研究グループ
全国の更生保護を対象にした実態調査とヒアリング調査と少年院在院者の受け入れ調整の現状について事例を収集し比較分析を行った。
○ 山本研究グループ
知的障害者のある人たちが被告人となった刑事事件に関わり、出所後の受け皿探しを行う実践で見えてきた福祉的・司法的課題について具体的事例を研究した。
○ 高橋研究グループ
これまでの福祉施設における取り組みの現状と課題についての検証・考察と、救護施設と宮城県内の相談支援事業所の利用実態調査を行った。
○ 酒井研究グループ
過去5年間における罪を犯した障害者の受け入れと処遇について全国の知的障害者施設への調査、及び周辺の矯正施設との連携し知的障害を持つ受刑者のモデル的受け入れ事業を実施した。
わが国の矯正施設(刑務所・少年院)に収容された障害者の実態調査を実施。「罪を犯した知的障害者の処遇に関する研究」について英米圏との比較を行った。
○ 清水研究グループ
全国の更生保護を対象にした実態調査とヒアリング調査と少年院在院者の受け入れ調整の現状について事例を収集し比較分析を行った。
○ 山本研究グループ
知的障害者のある人たちが被告人となった刑事事件に関わり、出所後の受け皿探しを行う実践で見えてきた福祉的・司法的課題について具体的事例を研究した。
○ 高橋研究グループ
これまでの福祉施設における取り組みの現状と課題についての検証・考察と、救護施設と宮城県内の相談支援事業所の利用実態調査を行った。
○ 酒井研究グループ
過去5年間における罪を犯した障害者の受け入れと処遇について全国の知的障害者施設への調査、及び周辺の矯正施設との連携し知的障害を持つ受刑者のモデル的受け入れ事業を実施した。
結果と考察
①矯正施設(刑務所・少年院)には410名の知的障害(疑いを含む)の受刑者がいるが、療育手帳の所持は6%に止まっており、犯罪動機は「生活苦・困窮」が36.8%で最多、全体の7割を占める再犯者の内半数以上の帰住先がない。②全国の更生保護施設には知的障害の疑いがある者は2割弱いるが、福祉ニーズに沿ったプログラムは用意されておらず、福祉施設への橋渡しはほとんど行われていない。③橋渡しにあたっては矯正施設と保護観察所、福祉事業所が合同で支援会議を行い出所後の方向性を検討する「合同支援会議」が有効である。
結論
法務サイド(矯正、更生保護)と厚生労働サイド(福祉)の連携不足と退所後の生活支援がないことが累犯障害者を生み出す要因となっている。①司法と福祉の架け橋となる「地域生活定着支援センター(仮称)」の設置、②矯正施設等からの退所者を受け入れる福祉事業所への加算、③福祉ニーズに応えるための矯正施設・更生保護施設等への福祉の専門職の配置、④社会福祉法人と更生保護法人との事業の相互乗り入れが必要となる。
公開日・更新日
公開日
2009-07-24
更新日
-