糖尿病・メタボリックシンドロームにおける内臓脂肪蓄積の評価に関する疫学研究

文献情報

文献番号
200826009A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病・メタボリックシンドロームにおける内臓脂肪蓄積の評価に関する疫学研究
課題番号
H20-糖尿病等・若手-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
松下 由実(国立国際医療センター 研究所 国際保健医療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 溝上 哲也(国立国際医療センター 研究所 国際保健医療研究部)
  • 野田 光彦(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
  • 高橋 義彦(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
  • 中川 徹(日立製作所 日立健康管理センター)
  • 山本 修一郎(日立製作所 日立健康管理センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 糖尿病戦略等研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本のメタボリックシンドローム診断基準では、腹囲カットオフは男性85cm、女性90cmである。国際基準との整合性や疾病発症との関連性を含めいくつか課題も指摘されている。腹囲はメタボリックシンドロームの上流に位置づけられる内臓脂肪の簡易指標であることを考えると、まずは内臓脂肪蓄積と諸病態との関連を解明しておく必要があろう。本研究は、糖尿病・メタボリックシンドローム、及び関連する病態における内臓脂肪蓄積の意義を明らかにし、このことにより、メタボリックシンドローム診断基準を改訂する際に参考となる腹囲に関する知見を提供する事を目的とする。
研究方法
1.既存データ(平成16年-平成19年)のデータベース化
1)人間ドックデータ
2)糖尿病・高血圧・脳心血管疾患発症の把握
  糖尿病、高血圧、高脂血症、脳心血管疾患の既往歴、治療の有無は人間ドックの調査票および欠勤時の診断書より把握した。
2.採血およびアディポネクチンの測定(同意書の得られた人のみ)
  人間ドック受付時に研究用採血についての説明・依頼文書と同意書を渡し、書面で同意を得た。同意の得られた人から静脈血5mlを採取し、同施設にてアディポネクチンを測定した。残検体は健診施設内の冷凍庫(-80℃)に一時保管し、3ヶ月ごとに国立国際医療センターへ低温で輸送し、凍結保管(-80℃)した。
結果と考察
横断解析により、内臓脂肪蓄積が多いほど、メタボリックシンドロームおよび各項目のリスクが高まることが明らかになった。
縦断解析により、内臓脂肪面積の3年間の増加を50cm2未満に抑制することにより、メタボリックシンドロームの各項目およびメタボリックシンドロームの解消につながる可能性が示唆された。
結論
得られたデータは、前向きコホート研究による発症率調査及び糖尿病・メタボリックシンドロームの曝露要因としての役割の検討の際、基礎データとして活用する。
また今後、内臓脂肪とインスリン抵抗性の関係、内臓脂肪とメタボリックシンドローム・糖尿病、及び関連病態の関係、さらに内臓脂肪を反映するバイオマーカーの有用性評価を横断的及び縦断的に分析していく予定である。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-