糖尿病予防のための戦略研究

文献情報

文献番号
200826001A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病予防のための戦略研究
課題番号
H17-糖尿病等・戦略-801
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人国際協力医学研究振興財団(財団法人国際協力医学研究振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 織田 敏次(財団法人国際協力医学研究振興財団)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター研究所)
  • 石塚 直樹(国立国際医療センター研究所)
  • 葛谷 英嗣(国立病院機構京都医療センター)
  • 小林 正(富山大学附属病院)
  • 門脇 孝(東京大学大学院糖尿病・代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 糖尿病戦略等研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
730,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成14年の糖尿病実態調査によると、20歳以上の国民のうち、糖尿病または糖尿病の可能性がある人は1,620万人に達し、糖尿病対策は喫緊の課題となっている。そのため、厚生労働省は平成16年度からの10か年で糖尿病の発生率を20%、心疾患及び脳卒中の死亡率をそれぞれ25%減少させることを政策目標として掲げた。本研究は、こうした政策目標を達成するための介入効果を検証することを目的とする。
研究方法
 研究課題1-3に対応した3つの大規模臨床研究J-DOIT1-3を実施し、糖尿病の発症予防から重症化抑制まで広範な対策を平成17年度からの5か年で検討する。J-DOIT1は糖尿病の発症率を半減させることを目標とし、生活習慣介入による糖尿病の発症予防効果を検証する。J-DOIT2は受診中断を半減させることを目標とし、かかりつけ医及び被験者への診療支援が受診中断を減少させる効果を検証する。J-DOIT3は大血管合併症の30%抑制を目標とし、複合的強化療法による糖尿病の大血管合併症進展抑制効果を検証する。
結果と考察
 課題1では、平成19年10月に同意取得期間を終了し、最終的に2,904人が登録された。被験者には、健康診断データの収集、アンケートの実施・回収が行われ、支援群では、順次、介入が開始された。平成21年3月末時点で、介入対象被験者の87.7%で介入が終了した。
 課題2では、平成19年12月に終了したパイロット研究の結果を解析し、実行可能性の評価とサンプルサイズの計算を行って大規模研究の計画を立案した。大規模研究では、全国の30医師会で、被験者7,500人の登録を目標とする。平成20年12月に試験実施計画書が中央倫理委員会で承認され、地区医師会の募集を開始した。
 課題3では、平成20年12月に同意取得期間を終了し、最終的な登録者数は2,542人となった。追跡期間は平成25年3月までの予定であるが、登録者数が目標の76.2%にとどまったため、今後のイベントの発生状況や毎年実施予定の中間解析の結果を見て、進捗を評価していく必要がある。
結論
 各研究課題は着実に進行している。しかし、いずれの課題も、十分な成果を得るためには平成22年度以降も追跡を継続することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-07-12
更新日
-