健康日本21の中間評価、糖尿病等の「今後の生活習慣病対策の推進について(中間取りまとめ)」を踏まえた今後の生活習慣病対策のためのエビデンス構築に関する研究

文献情報

文献番号
200825068A
報告書区分
総括
研究課題名
健康日本21の中間評価、糖尿病等の「今後の生活習慣病対策の推進について(中間取りまとめ)」を踏まえた今後の生活習慣病対策のためのエビデンス構築に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-022
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 裕光(国立保健医療科学院 研究情報センター 情報評価室)
研究分担者(所属機関)
  • 安藤 雄一(国立保健医療科学院口腔保健部)
  • 谷畑 健生(国立保健医療科学院疫学部)
  • 中板 育美(国立保健医療科学院公衆衛生看護部)
  • 伊藤 弘人(国立精神・神経センター精神保健研究所社会精神保健部)
  • 津村 和大(川崎市立川崎病院)
  • 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
  • 由田 克士(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
  • 竹中 晃二(早稲田大学人間科学学術院)
  • 奥  真也(東京大学大学院医学系研究科)
  • 宮崎 滋(東京逓信病院内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康情報の収集・評価・公表の体制について、1)科学的根拠に基づき、2)十分理解できる表現で、3)アクセスしやすい環境で、情報を発信し、国民への情報提供や保健指導がなされる体制の構築を目指す。すなわち、科学的根拠に基づく健康情報の集積(収集・評価・公表など一連の過程を含む)が持続的に行われ、誰でも利用できる、健康と安全のための情報サイトの構築と、健康情報を含む情報を批判的に吟味できるような利用者の健康情報リテラシー、すなわち一般に流布されている情報の吟味能力の向上や、情報の格差の是正のための方策を検討する。
研究方法
健康情報に関する現状・実態の把握と、近年のエビデンスの収集とこれに基づくコンテンツ作成を行う。また、性、年齢層等背景にも留意したうえで情報利用者である国民のニーズ調査を行う。また、健康問題における各分野および行動変容、健康情報リテラシー、といった専門性の高い領域についても、国内外の情報提供に関する現状・実態把握を行うとともに、最新の知見を収集し検討を行う。
結果と考察
本年度は、健康情報に関する現状および情報利用における問題点を把握することに重点を置いた。まず現状に関しては、様々な機関から多くの健康情報が提供されており、その必要性も認識されているものの、利用者側の情報ニーズなどの観点から情報提供がなされているケースは多くない。本研究では、これらの問題に関して予備的な調査を行った。また、情報収集のためのアンケート作成システムやインターネットを通じた調査方法などについても検討を行った。情報の提供側にとって重要なことは、①情報の信頼性を保証すること、②利用目的に合った情報を提供すること、③理解しやすい情報を提供することなどであり、これらの点で、保健医療情報の提供側として公的機関が果たす役割はひじょうに大きい。さらに、健康情報の活用については、情報提供側だけの問題ではなく、情報利用者側の問題も存在する。とくに、健康情報を健康行動の変容や健康状況の改善に結びつけるためには、ヘルス・リテラシーの向上に向けたとりくみはきわめて重要であると思われる。
結論
健康情報の利用者側にとっては、信頼性や科学的根拠といった面で公的機関による情報発信の役割は大きく、情報を1つの健康基盤と考えて、教育システム、社会の地域特性、現実の医療システムなどと関連づけて、健康情報を活用していく方法を検討していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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