脊髄障害防止の観点からみた胸部下行・胸腹部大動脈瘤外科治療ないしはステントグラフト治療体系の確立

文献情報

文献番号
200825063A
報告書区分
総括
研究課題名
脊髄障害防止の観点からみた胸部下行・胸腹部大動脈瘤外科治療ないしはステントグラフト治療体系の確立
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-017
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
荻野 均(国立循環器病センター 心臓血管外科)
研究分担者(所属機関)
  • 松居喜郎(北海道大学 循環器外科)
  • 久保田 卓(北海道大学 循環器外科)
  • 椎谷紀彦(浜松医科大学 心臓血管外科)
  • 樋上哲哉(札幌医科大学 胸部心臓外科)
  • 川原田修義(札幌医科大学 胸部心臓外科)
  • 岡林 均(岩手医科大学 心臓血管外科)
  • 田林晄一(東北大学 胸部外科)
  • 青見茂之(東京女子医科大学 心臓血管外科)
  • 澤 芳樹(大阪大学 心臓血管外科)
  • 倉谷 徹(大阪大学 心臓血管外科)
  • 大北 裕(神戸大学 呼吸循環器外科)
  • 勝間田敬弘(大阪医科大学 胸部外科)
  • 末田泰二郎(広島大学 胸部心臓血管外科)
  • 青柳成明(久留米大学病院 心臓血管外科)
  • 明石英俊(久留米大学病院 心臓血管外科)
  • 國吉幸男(琉球大学 心臓血管外科)
  • 山田直明(国立循環器病センター 放射線科)
  • 吉岡邦浩(岩手医科大学 放射線科)
  • 兵頭秀樹 (札幌医科大学 放射線科)
  • 大西佳彦(国立循環器病センター 麻酔科)
  • 松田 均(国立循環器病センター 心臓血管外科)
  • 湊谷謙司(国立循環器病センター 心臓血管外科)
  • 佐々木啓明(国立循環器病センター 心臓血管外科)
  • 田中裕史(国立循環器病センター 心臓血管外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
胸部下行・胸腹部大動脈手術において、術前のMRIやCTによるAdamkiewicz動脈の同定実施が直達手術およびステントグラフト治療中の脊髄障害発生に与える影響(発生防止のための有効性)について多施設で検討する。同時に、脊髄障害発生に与える要因を検討することにより、脊髄障害発生率の軽減、治療成績の向上を目的とする。さらに、Adamkiewicz動脈の同定に関して、部位、同定可能割合について多施設共同コホート研究にて調査し、同定技術の向上につなげる。
研究方法
1)研究対象:①胸部下行、胸腹部大動脈手術もしくはステントグラフト治療を施行された患者、②2000年1月から2010年12月までに手術を施行された患者、③ 倫理委員会承認後に登録を行う患者に対しては、同意能力があり、自ら同意文書に署名できる患者
2)研究デザイン:多施設共同コホート研究(全国の主要13施設)
3)目標症例数:①下行大動脈瘤1100?1650例、②胸腹部大動脈瘤550?1100例
4)評価項目:①主要評価項目:退院までの脊髄障害発生割合、②副次評価項目:Adamkiewicz動脈の同定方法、Adamkiewicz動脈の部位、Adamkiewicz動脈の同定可能割合、手術による院内死亡割合、合併症の発生割合、その他(手術:術式(置換範囲)、補助手段、循環停止時間、心筋虚血時間、体外循環時間、手術時間、麻酔時間、出血:術後出血、輸血量(MAP、FFP)、血小板輸血、回復:挿管時間、ICU滞在日数、術後入院期間、遠隔死亡割合、など)
結果と考察
症例データ入力が開始されたばかりで研究目的の研究成果が得られていないが、国立循環器病センター内臨床研究センターの支援のもと、極めて有用な電子媒体(メール形式)によるデータ収集システムの構築ができた。このシステムを用いれば、他の多くの施設から2000例を超えるデータが迅速、正確に得られ、その後のデータ解析が順調に施行できるものと考える。倫理委員会の承認を得た後、2009年3月より患者登録を開始している。
結論
多施設共同コホート研究に即した電子媒体(メール形式)によるデータ収集システムの構築ができ、Adamkiewicz動脈同定実施の意義や術中脊髄障害の原因となる要因の解析など優れた研究結果が得られるものと考える。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
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